2020.12.07 UP 0 閲覧数 73
健康と食特集・連載

乳がんってどんな病気?女性医師が解説します

初めまして。内科医師の春田です。

今では女性医師も珍しくありませんが、でもやっぱり同じ女性だと「男のお医者さんには話しづらかったのよねー。」と女性の患者さんが、それまでの男性主治医に言えなかったことをよく相談して下さいます。

「生理痛の話なんて、男の人にしてもわからないもんね。」なんて私に言われても、「そうですね!(本音)」、、、というわけにいかず、苦笑いしていますが。

 

そんな女医春田が、女性に知っていただきたい健康や病気のお話をしていきます。

1回目は「乳がん」について

乳がんはご存知の通り、乳房にできるがんですが、男性にも乳房はあるので、実は男性も乳がんになることはあります。とはいえ、乳がんの99%は女性の病気です。

そして、乳がんは女性で最も多いがんでもあります。2015年の報告によると、乳がんの発生率は10万人あたり147.7人です。女性全体では10万人あたり675人の人が1年の間に新たにがんを発症しているので。乳がんはその約1/4を占めていることになります。

 

しかし、乳がんは他のがんと異なり対策のしやすいがんです。

その理由としては、乳がんは内臓のがんと異なり体表面(肋骨よりも皮膚側)にできるのでセルフチェックしやすいこと、さらに適切な間隔で検診を受ければ、その多くが早期発見でき、予後も改善するということがこれまでのデータで証明されているのです。

乳がんは早期発見できれば予後は断然よくなります。具体的には、がんが乳房の中にとどまりリンパ節に転移していなければ、5年生存率(その病気の人が5年後に生きている確率)は99.3%と、100%に近い成績が出ています。

 

たとえ乳がんと診断されても、それほど恐れる必要はありません。

 

それを裏付ける具体的な数字をもう1つ示しましょう。

毎年新たに乳がんになる人の数は増えています。現在報告されている最新のデータは2015年の乳がん発症者で10万人あたり147.7人ですが、2004年はその約半分、10万人あたり77.3人の発症者数でした。

 

つまり2004年から2015年の11年で患者数は2倍になっているということです。

 

では、同じ年の乳がんによる死亡数を見てみます。

2004年10万人あたり16.3人、2015年では21.1人となっています。この期間、患者数は2倍になりましたが、死亡者数は1.3倍の増加にとどまっています。

 

私はこの違いの理由は、検診を受ける人が増えたり、セルフチェックの啓蒙により乳がんの早期発見が増えたこと、そして乳がん治療の進歩があると考えています。

乳がんになりやすいタイプとは?

乳がん検診の詳細やセルフチェックの方法については次回詳しく説明したいと思いますが、まずは適切な間隔で検査を受けるために、自分が乳がんになりやすいタイプかどうかをチェックしてみましょう。

 

1つ目は乳がんになりやすい遺伝子を持っているかどうか、ということです。

一部の乳がんは遺伝が関係しています。その割合は乳がんの10~20人に1人と言われていますが、遺伝で発症する乳がんは、通常よりも若い年齢で発症しやすいとも言われています。

 

乳がんに関係した遺伝子はいくつかありますが、有名なのはBRCA遺伝子です。

このBRCA遺伝子は傷ついたDNAの修復に関連しています。DNAは人間のすべての細胞にあり、いろいろなたんぱく質を作るための情報が入っています。

しかしこのDNAが損傷すると正しいときに適切なたんぱく質を作ることができなくなります。結果、一部の細胞は半永久的に分裂・増殖を繰り返します。これががん細胞です。つまり、BRCA遺伝子の異常を遺伝として引き継ぐと、乳がんを含めたがんになりやすい人、ということになります。

親がBRCA遺伝子の異常を持っている場合、子供には1/2の確率で引き継がれます。この遺伝子は女性だけでなく、男性にも引き継がれ、男性でも乳がんや前立腺がんになる可能性が増えます。

 

BRCA遺伝子の異常があるかどうかは一部の医療機関で採血で検査することができます。

 

保険適応で検査が受けられる人は一度乳がんもしくは卵巣がんになったことがある人で医師がBRCA遺伝子異常を疑った場合、それから第3度近親者内(第3度近親者とは曾祖父母、大おば、いとこなどです)に乳がんや卵巣がんを発症した人がいる場合です。

これらの人はもしBRCA遺伝子の異常があるとわかれば、希望者に対してやはり保険適応でがんが出現する前に予防的な乳房切除術や卵管卵巣摘出術を行うことができます。

これらの予防的な手術は乳房は40歳までに、卵管卵巣は50歳までに施行することが勧められていることもあり、血のつながった人に乳がんや卵巣がんになった人が複数いる場合には、早めにBRCA遺伝子の検査について、病院で相談してみましょう。

 

もう1つ、乳がんになりやすいと報告されているのが、女性ホルモンの分泌が多い人です。

具体的には11歳以前に初潮(はじめての生理)があった人、閉経(最後の生理)が55歳以降の人、出産歴がない人、そして肥満の人が女性ホルモンの分泌が多いと推測されます。

基本的に女性ホルモンは生理がある期間に多く分泌されるので、生理期間が長い人は女性ホルモンの分泌量が多いと考えられます。ただし、妊娠期間中や授乳中は女性ホルモンの分泌は少なめになるので、出産回数が多かったり、母乳を与えている期間が長い人はその間の女性ホルモンの分泌は少ないと考えられます。

そして、女性ホルモンは脂肪細胞からも分泌されるので、肥満の人は女性ホルモンが多いと推測されます。

乳がんの一部は女性ホルモンに刺激されて大きくなる性質を持っており、女性ホルモンの分泌が多い人は、これらのがんになったときに進行が速くなる可能性があります。(逆に、女性ホルモンで大きくなるタイプの乳がんは、女性ホルモンの働きを抑える薬を使って治療します。)

 

現在厚生労働省が勧めている乳がん検診は2年に1度ですが、自分が乳がんになりやすいタイプだった場合は、間隔をせまくして検査を受けたり、セルフチェックをこまめにするなどの対策が勧められます。

<今日のまとめ>

乳がんになりやすい可能性がある人は・・・

  • 血縁者に乳がんや卵巣がんの人がいる
  • 女性ホルモンの分泌が多い

このような人は、通常の検診に加えて、人間ドックやセルフチェックなどでこまめに検査しましょう。

 

次回は乳がん検診やセルフチェックの詳細についてお話します。

RANKING よく読まれている記事

美とおしゃれ
おすすめ キレイな50代女性がやっている10のこと…
0 閲覧数 3,002
健康と食
おすすめ 塩抜きダイエットレシピ5選!滋味豊かな食…
0 閲覧数 1,401
健康と食 暮らしと生き方 特集・連載
おすすめ 桧山タミ先生が見つけた幸せな生き方「家…
0 閲覧数 765
健康と食
おすすめ 星野由香先生が教える「ほぐピラ」メソッド
0 閲覧数 588
美とおしゃれ 趣味と教養
-5歳は若返る!? 50代からの正しいメ…
0 閲覧数 565
暮らしと生き方 趣味と教養
おすすめ 除菌スプレーは自分で作る!おうちで簡単に…
0 閲覧数 412
健康と食
暑い・寒い・眠い・痛い!?更年期の症状は…
0 閲覧数 302
特集・連載 趣味と教養
【special interview】「…
0 閲覧数 285
特集・連載 美とおしゃれ
【美容特集】グレイヘアという選択
0 閲覧数 265
エンタメ 美とおしゃれ
【クローズアップ vol.1】純 烈
0 閲覧数 253
美とおしゃれ
50代女性は髪が命!髪がきれいな50代女…
0 閲覧数 241
健康と食 美とおしゃれ
健康も美容も両方叶える!50代女性のおす…
0 閲覧数 227
健康と食 暮らしと生き方
イライラする!?更年期障害の改善に期待で…
0 閲覧数 223
美とおしゃれ
ナチュラルで凛としたグレイヘアを楽し…
0 閲覧数 202
エンタメ
オトナにおすすめ!YouTubeチャンネ…
0 閲覧数 192
健康と食 特集・連載
おすすめ 大人も子どもも お菓子を楽しみながら、子…
0 閲覧数 182
美とおしゃれ
50代女性がスタイリッシュに見えるファッ…
0 閲覧数 182
健康と食
プチファスティングで身体の不調を改善!
0 閲覧数 174
暮らしと生き方 特集・連載
おすすめ 【生き方特集 1】樹木希林さんからの手紙…
0 閲覧数 173
健康と食 美とおしゃれ
体臭は食事から?食べ物から意識してみよう
0 閲覧数 172
もっと見る

今が定期購読を始めるチャンス!

表紙
表紙

めりぃさん
発行:ては〜とホールディングス株式会社
編集:株式会社主婦の友社

めりぃさんアプリをダウンロード→会員登録して無料定期購読をはじめよう! 会員特典0円

めりぃさん
発行:ては〜とホールディングス株式会社
編集:株式会社主婦の友社

毎日の暮らしや健康ライフをサポートする情報誌「めりぃさん」を定期購読しませんか?めりぃさんアプリをダウンロードして会員登録頂くと、特典として、年6回発行される情報誌めりぃさんを永年無料でご自宅までお届けします。ぜひこの機会に、めりぃさんアプリからお申し込みください。

まずは、お使いのケータイにめりぃさんアプリを無料で簡単にダウンロード

QRコードが読み込めない場合はApp StoreまたはGoogle Playで「めりぃさん」と入力して検索してください。

「iPhone」の方は
こちらから

App Storeからダウンロード
App Storeのqrコード

「Android」の方は
こちらから

Google Playで手に入れよう
Google Playのqrコード