2021.04.04 UP 閲覧数 29
健康と食暮らしと生き方

受験生をもつ親の「自律神経」のコントロール

今シーズン子どもの受験を経験した内科医師・春田です。前回は受験生の親がどのように「怒り」の感情をコントロールすればよいのかについてお話しました。今回のテーマは「自律神経」です。

「交感神経」と「副交感神経」のバランスが重要

私たちは手を上げようと思えば手が上がり、声を出そうと思えば声が出ます。しかし心臓は「動かそう」と考えて動いているわけではありません。このように意思とは関係なく体の状態や環境に合わせて体内を調節しているのが「自律神経」です。

 

「自律神経」には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。イメージとしては「交感神経」は、敵と戦うときに活発になる神経です。敵の動きを見逃さないために瞳孔(黒目)が開き、すぐに動けるように心拍数が上がって全身に酸素や栄養を届けます。逆に「副交感神経」、リラックスしたときに優勢になる神経です。戦っているときにはできない食べ物の消化や排せつなどに関わります。

さて、受験中はどちらの神経が活発になるでしょうか? 受験も戦いですから、「交感神経」がどうしても活発になります。実際には戦っていなくてもいつでも戦うことができる“戦闘モード”なので、交感神経の方が優勢になりがちです。すると体の状態はどうなるのでしょう。

 

「交感神経」が優勢になるので心臓がバクバクと脈を打ち、全身の血管が縮んで血圧が上がります。そして「副交感神経」が抑えられた状態になるので、消化が悪くなります。具体的には胃や腸の動きが低下して便秘になったり、消化液が分泌されなくなったり、のどが渇いた状態になります。

 

通常、日中は「交感神経」が優勢に、夜は「副交感神経」が優勢になって1日のバランスをとっています。しかし受験中のお父さん、お母さんはうまくリラックスできていないと常に「交感神経」が優勢な状態になってしまい、場合によっては体調を崩してしまうことも。

受験中は積極的に“副交感神経モード”になろう!

というわけで、受験シーズンは体調管理の一環として「副交感神経」が優勢になるように心がけましょう。今回は道具不要で簡単に“副交感神経モード”になれる方法について紹介します。

1. 4-7-8呼吸法

4秒かけて鼻から息を吸い、

7秒息を止めて

8秒かけて口から息を吐きます。

 

これならこの記事を見ている今でもできますね。最初はちょっと苦しい感じがするかもしれませんが、だんだんと慣れていきますので、まずは1回からでも始めてみましょう。これは安倍元総理も行っていたといわれるリラックス法です。

2. アンカリング

アンカリングとは心理学の用語で、日本語にすると「条件付け」という意味になります。例えばお店の中で「蛍の光」の音楽を耳にすると「帰らなくちゃ」と思う、これも1つのアンカリングです。つまり頭の中で「蛍の光→閉店→帰る」という流れができあがっているのですね。そんなことを知らない小さな子どもは「蛍の光」を聞いても「帰ろう」とは思いません。けれども毎回お店で蛍の光が流れるたびに、お母さんが「この曲が流れたから、もうすぐお店が閉まっちゃう、帰ろうか」と言い続けると、その子どもの頭の中にも「蛍の光→閉店→帰る」というアンカリングができあがります。

 

イチローが打席に入ると行う「バットをかざして袖をまくる」あのポーズ、ちょっと古いですがラグビーの五郎丸選手が行う「人差し指を合わせる」五郎丸ポーズも1種のアンカリングと考えられます。こういうポーズは「ルーティン」とも呼ばれますね。スポーツで最高のパフォーマンスを発揮するために行われているポーズです。

 

さて、ではこのアンカリングを利用して“副交感神経モード”になってみましょう。ひとまず、環境だけでも「副交感神経」が優勢になるような状態を作ります。周りに誰もいない状態で、できるだけリラックスできる状況を作ってください。好みによりますが、私ならベッドに寝転がり、ゆったりした服を着ます。直前にちょっといいおやつを食べて、とにかく自分で「幸せな気分」になれるように整えてください。人によってはお風呂に入っている方がリラックスできるかもしれません。

その状況で目を閉じて、さらに気持ちのいい状態、最高にリラックスできている自分を想像します。例えばハワイのビーチに寝転がっている状態であれば、サンサンと降り注ぐ太陽、波の音、程よく温まった体を想像する。ある人は大きなコンサートホールでキレイなドレスを着て、素晴らしいクラシックを聴く、というのもいいかもしれません。皆さんそれぞれ自分が一番リラックスできている状態を思い浮かべてください。そして、最もリラックスできている瞬間に決まった動作を行います。私の場合は左手で親指を包むように握りこぶしを作って親指をギュッと押さえています。

 

「リラックス→決まった動作」。このような作業を繰り返し行い体に染みつかせると、今度は逆にその動作をするだけで自分がリラックスできるようになります。私の場合は大勢の前で話をするといった緊張する時に、左手で握りこぶしを作って親指をギュッと押さえて緊張を和らげています。

 

このアンカリングは急にはできませんが、準備自体いつでもどこでもできるので、5分でも時間があるときに繰り返し行って身につけておくと、試験前の特に緊張する時期もリラックスして過ごせるようになります。

受験の主人公はもちろん受験する本人ですが、親の精神状態も子どもに伝わってしまうもの。後悔なく受験を乗り越えられるように、親側もうまくリラックスできる方法を見つけておくとよいでしょう。

内科医

春田 萌

日本内科学会総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会専門医
大学病院、二次救急病院、在宅医療を経験。

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