Vol.2「目元メイクでハツラツと」美容家・中島あずささん
撮影/楠 聖子 取材・文/新里陽子 イラスト/maiko
春を迎え、新年度に。新しい出会いもあり、「はじめまして」の場面も多くなる季節ですよね。おのずとあいさつをかわす場面も増えてきます。
「健康に歳を重ねる」という教えの「美麗学」では、普段の暮らしの中で意識したいことの一つとして「積極的にあいさつをすることは、ハッピーホルモンにつながる」という考え方があります。
あいさつ=相手のことを思いやる気持ち。あいさつを交わせば、自分だけでなく相手も幸せな気分になりますよね。それこそが、オキシトシン(=ハッピーホルモン)効果なのです。私が心掛けているのは、直接会ってあいさつするときは、「相手の目を見て話す」こと。目で自分の思いが伝わり、相手が目を合わせてくれることで信頼関係も深まります。
目元の印象はあいさつの場面では特に重要です。沈んだ目元よりも、ハツラツとした目元はハッピーホルモンを引き寄せます。表情はもちろんのこと、ちょっとしたメイクを加えるだけで明るい目元が誰でもつくれます。ぜひ、取り入れてみてくださいね。
美齢学とは?
美齢学=ジェロントロジー学。日本語で「加齢学」と訳されますが、一般財団法人 美齢学 ジェロントロジーセンターでは歳を重ねることを受け入れた上で、「いかに心身ともに美しく、豊かに歳を重ねることができるか」をコンセプトにしています。ジェロントロジー学とは、「アンチエイジング」(抗加齢)ではなく、健康で活躍できる「アクティブエイジング」という知識を学ぶ学問です。
メイク用品というと、いろいろな種類のものをたくさんそろえないといけないのでは?と思う方も多いのですが、数種類でも十分です。年齢や個人差によって肌の調子が変わるのは当然。特に肌については、ムリして厚塗りにすることが美しさを引き出すメイクではないので、自分の肌と相談しながらムリなくするのが一番です。今回皆さんにご紹介するのは、あいさつの場面でもハツラツとした目元に見えるメイク術。そのために、できればそろえてほしい4アイテムを以下に挙げました。
「この年齢からメイク?」としり込みせず、新しい自分にまた出会えるきっかけとして、ぜひ試してみてくださいね。そして、メイクした自分をまず見るのは、鏡の中の自分です。にこっと笑った顔は、いつもよりとてもチャーミングなはず。そんな自分に、ぜひとびきりのあいさつをしてあげてくださいね。
「ほどよいラメ感」 のあるものを。
新しくそろえるならば、ぜひラメ感のあるアイシャドウを1色選んでください。キラキラの大粒ではなく、細かい粒子のものがベスト。肌色に近いゴールド系なら、肌をキレイに見せてくれます。若い頃に使った、青やピンクなどのパステル系は少し古い印象に見えてしまうことも。厚く塗るのは避けて、 1色をサッとつけましょう。
「落ちないタイプの黒」を1本
まつ毛をしっかり見せると目が開いて見えます。おのずとハツラツとした印象に。マスカラを塗ることに慣れていない場合はまぶたについてしまったりするので、落ちにくいウォータープルーフタイプのものをおすすめします。塗る前に、少しだけでもビューラーでまつ毛を上げておくと塗りやすいですよ。
「黒のリキッドタイプ」が簡単です
まぶたが下がってくる年齢の私たちには、鉛筆のようなペンタイプではなく筆ペンのような毛先のリキッドタイプがより簡単に、にじみなくラインが引けるのでおすすめです。黒はどんな方にもなじみやすいのですが、瞳の色に合わせてこげ茶などを選んでも素敵ですよ。
「目の周りのシミを隠せばよりイキイキ」
他の3アイテムと違って、肌のベースづくりとなるアイテム「コンシーラー」。大きなシミなどがあると悪目立ちして、目元よりもそちらに目がいってしまいます。少し薄くするだけでも効果は大。地肌に近い色を選んで、シミの上にコンシーラーをのせ、パウダーで押さえるだけでOKです。
道具がそろったらここからは実践編。ハツラツとした目元メイクのやり方をレクチャーしてもらいました。
メイクすること自体、ワクワクしてとても楽しいこと。ぜひハッピーホルモンをたくさん感じて、キレイになりましょう。
まず目元周りのシミ対策を。コンシーラーは手で取り、シミの中心からトントンとたたいてぼかすようにのせます。シミの中心は濃く、その周囲は薄く。こうすることで周りとなじみます。ヨレないように、パウダーで押さえましょう。
アイシャドウをのせます。ラメ感のある色を、アイホールの上にのせていきます。ブラシならばアイシャドウをつけたら手の甲で少しなじませてから塗ります。濃くなるのを防ぐためです。手の指でそっとつけるのも◎。
アイラインを引きます。意識するのは「書き込みすぎない」こと。右利きの方は左手の指でまぶたを少し上に上げると引きやすいです。また、目尻からスタートするのではなく、黒目の上から目の尻にかけてラインを入れていきます。引き終わりに、少しだけ上にはね上げるようにすると目力アップ。
年齢を重ねていくとまつ毛の本数が減っていくのでマストではありませんが、ビューラーを使っても構いません。その場合まつ毛の根から毛先に向かって1、2、3段階にまつ毛ををはさんで。まつ毛が少ない人は、まつ毛の育毛剤もあるので、まつ毛を育ててから使うことをおすすめします。
最後にマスカラをつけます。ブラシのタイプは全方位にあるスクリューブラシをなでるようにするだけでまんべんなくつきます。ジクザクと毛先に向かって動かすと全体的にしっかり塗れ、落ちにくくなります。
ジェロントロジスト美麗学アドバイザー
中島あずささん
なかじま・あずさ●原宿のヘアサロン「Plus Lounge」にて、スタイリスト歴20年。毛髪診断士、トータルビューティーアドバイザー、。南カルフォルニア大学ジェロントロジー学美齢学指導員。「美齢学」を「美麗学」として発信中。監修の美容サイトhttps://www.mion.site/