冷え性を薬膳料理で改善!簡単で美味しく、ぽかぽか手足に!
体の構造上、女性は男性よりも冷えやすく、女性の2人に1人は冷え性と言われています。冷え性の陰には生活習慣病が隠れている可能性もあります。そこで注目したいのが薬膳料理です。
薬膳は中国伝統医学に基づき、食材のもつ力を引き出し、季節や食べる人の体調に合わせて作られます。ここでは、冷え性の原因や冷えを改善する薬膳料理について解説します。
冷え性の原因とは?
「冷え性」は病気ではありません。しかし、冷え性のままでは内臓機能の低下や免疫力の低下を引き起こし、痩せにくくむくみやすい体の原因など様々な悪影響を及ぼします。冷え性は血液のめぐりが悪くなることが原因です。そのため体を冷やしたり、血行を悪くする習慣は冷え性になりやすい体質を作ってしまいます。
<冷え性の原因となる生活習慣>
- 冷房が効いた室内で過ごすことが多い
- 薄着でいることが多い
- きつい下着や洋服を身に着け血行を妨げている
- 加工食品、甘いものを好む
- 運動不足
- 栄養バランスが悪い無理なダイエット
- 姿勢が悪い
- ハイヒールをよく履く
女性は体の構造上、男性よりも冷えを自覚する人が多いと言われています。その原因は上記のような生活習慣に加え、女性は男性よりも血管が細く、筋肉の量が少ないことがあげられます。血管が細いと血液の流れは滞りやすく、筋肉量が少ないと体温が低くなりやすいためです。また、女性は男性よりも骨盤の形が丸いため、狭い骨盤内に子宮や卵巣などの臓器が収まっており骨盤内の血流が悪くなりやすいという特徴があります。
冷えを改善する薬膳料理とは?
薬膳は特殊な食材を使うものではなく、例えばお豆腐にショウガ、お刺身にワサビ、など日常にありふれた組み合わせでも効果が期待できます。
薬膳では、食材には5つの食性があると考えられており、その食材が体の中でどう作用するかを表します。作用の程度により、寒性、涼性、温性、熱性と、これらに属さない穏やかな性質を持つ平性に分けられます。身体を温める作用があるのは温性と熱性です。
しかし、熱性の作用を持つ食べ物は作用が強い分摂り過ぎると喉の渇きや、肌荒れ、苛立ちやすくなると言われており、体が「熱」に傾きすぎないようバランスが重要です。また、薬膳では食性同様に調理法も重要であり、体を冷やす性質であっても加熱することで体を温める方向へと作用します。
冷え症を改善するには「温性」と「平性」の食材の組み合わせがおすすめです。ただし冬場は、腎の働きをサポートする食材を取り入れることも大切。腎は体内の水分コントロールのほか、ホルモンや免疫系など様々なシステムを司り、生命力の貯蔵庫とも言われています。腎の働きを高める食材は黒色に多く、黒豆、黒ゴマ、牡蛎、エビ、鱈、シジミ、黒きくらげなどがあります。
温性の食材
もち米、鶏もも肉、羊肉、黒糖、アジ、タイ、ブリ、サバ、舞茸、かぶ、南瓜シソ、玉ネギ、長ネギ、にら、にんにく、しょうが など
平性の食材
牛肉、豚肉、サンマ、シシャモ、タラ、牡蛎、春菊、えのき、山芋、じゃがいも、さつまいも、牛乳、チーズ、豆乳、白砂糖 など
簡単☆冷え症改善薬膳レシピ
どんなメニューにも合う汁物と、一息つきたい時におすすめの薬膳茶を紹介します。
鶏もも肉と旬野菜のぽかぽかスープ
<材料>
- 鶏もも肉 1枚(約250g)
- 水 2カップ
- 玉ネギ 50g
- キャベツ 100g
- 舞茸、ニンジン、長芋などお好みの旬の野菜
- 塩 少々
- ショウガ お好みで
- 黒コショウ お好みで
<作り方>
- 鶏もも肉は小さめの一口大に切る
- 鍋に水を入れて沸騰させ、一口大に切った野菜を火が通りにくいものから順に煮ていく
- 鶏もも肉を加え、灰汁を取り除きながら火が通るまで煮る
- ショウガを加え、塩で味を調える
- 火を止め、黒コショウを加える
シソ茶
<材料>
- シソの葉 1枚
- ショウガ スライス2枚
- 黒砂糖 適量
<作り方>
- 水を張った鍋にシソの葉を30分浸ける
- 火にかけて沸騰させる
- ショウガを細切りにして加える
- 火を止めて5分蒸らす
- マグカップに濾し入れ、お好みで黒砂糖を入れる
まとめ
昔から冷えは万病のもと、と言われており、冷えは様々な体の不調をもたらします。
冷え性を改善するには普段から体を冷やさないようにすることが大切ですが、気づかないうちに食べる物によって体を冷やしてしまっているかもしれません。
日々の食事に薬膳を取り入れ、体を温める食材を積極的に摂るようにしましょう。薬膳といっても難しく考えすぎる必要はありません。ごく当たり前にある食材を使い、体調に合わせて食材の組み合わせや調理法を工夫し、食で健康を支えるのが薬膳です。薬膳は薬ではないためたくさん食べたからといって効果がみられるものではありません。
毎日食事を楽しみながら継続していきましょう。