旅する料理家・大前うららさんの「リビング&ダイニング」
撮影/楠 聖子、大前うらら(ベージュフレームのもの) 取材・文/新里陽子
世界各国を旅し、その土地の魅力を料理を通じて発信している大前うららさんの、今回はリビングとダイニングルームを拝見。おうち時間を充実させるヒントもたくさんありました。
大前うらら さん
おおまえ・うらら●旅行会社勤務を経て、イギリス、スペイン、フランスへ計8年間の食探求留学へ。ロンドンの製菓製パン学校で学び、首席で卒業。スペインでの1年間は地方料理を探求。フランスではル・コルドン・ブルーで学び、アシスタントを経験した後、ホテル、レストラン、サロン・ド・テなどで研修および勤務。現在横浜にてハード系パン&世界の料理教室「ガストロノマード」を主宰。http://gastro-nomade.com/
壁一面の本棚に広がるのは、大前さんが数々の国で出合った本や雑貨たち。
家の中心でもあり、ご自身の「好き」が詰まったこの場所の前での“立ち読み”が心落ち着く時間。
ダイニング
近くに住むご両親や親戚など、時には大人数が集うダイニング。テーブルは食事をする場所でもあり、語らう場でもある。
夏のある日のテーブルコーディネートを写真に撮っていただきました。
「今日はこのクロスにしましょう」とフランスで購入した花柄クロスを広げる大前さん。布は手軽に気分を変えられる優秀アイテムだそう。
チェストには、各国で買ったクロスやランチョン類がぎっしり。選ぶのも楽しい!
Morning
「レース模様のお皿はイギリス製で爽やかな朝食時間を演出してくれます。フランスで購入したランチョンマット、パン皿に敷いた中国のスワトウ刺繍のハンカチと一緒に。自家製のパンとジャムをいただきます」
Tea Time
「ガラスのお皿とカップは、アメリカのヴィンテージのスナックセット。自家製のパイはスペイン、アンダルシアのパステル・コルドベスで、中に金糸瓜(そうめんかぼちゃ)のジャムが詰まっているんですよ」
Dinner
「夏の青空をイメージしたブルーで統一。さくらんぼのお皿、刺繍のナプキンは、フランスの蚤の市で見つけたブロカント(古道具)。テーブルクロスは日本で購入したイタリア製のもの」
Summer glass
「ダイニングテーブルの横の棚には、その日の気分でガラスの器を飾り、庭で咲いている花などを挿しています。これだけて涼を感じる癒やしのディスプレイになります」
リビング
窓に向かって配置された大きなデスク。この位置から庭を眺めて、ほっとひと息つくことも一日の中の大切な時間だとか。
世界中のアイテムにじっくり触れられる空間づくりもこだわりです。
各国の家具が見事にマッチ。照明使いも相まって心地よい空間に。
(左)10代の頃からの愛読書も含め、本がズラリ。すきまに飾られた雑貨が本のアクセントに。
(右)各国で集めた料理本は財産。
小さな机の上と下に、かわいい雑貨をディスプレイ。お菓子型や空き瓶も、しまうのではなく飾ることで、世界感をつくる立派なインテリアに。
(上)この椅子も大前さんのおばあさまから引き継いだもの。デスクの下の空間もディスプレイスペースに。
(左下)ウィーンの蚤の市で出合ったドイツ製メタリ社のポット。食後のお茶の器はテーブルサイドのワゴンにスタンバイ。
(右下)カゴの中は、各国のお菓子づくりグッズなどをストック。
「我が家で夏に大活躍する昭和カラーのグラスは、祖母から受け継いだものと私が集めたもの。夏に欠かせない麦茶やビールを飲むときは、その日の気分に合わせて選びます」
ガーデン
おうち時間が増え、今まで手をつけていなかった庭づくりも始めたという大前さん。
枕木を自分で敷き、眠っていた鍋をフラワーポットにするなど、楽しんでいる様子が感じられます。
「ここにいるだけで幸せ!」と感じる空間づくりが楽しくて
「最近お気に入りの花、フランネルフラワー。フランネル生地のようにふわりと柔らかく、上品な質感。ズボラガーデナーなので、基本は地植えなのですが、この花は雨に弱いので鉢植えに」
(左上)「15年ほど前に日本で購入したブリキのバスケットを草むしり専用に。雑草を入れた姿も美しいです」
(右上)「先月、センス抜群の義妹より、夏の庭仕事に使ってとプレゼントしてもらいました。おしゃれ小物を身に着け、テンションを上げて庭仕事に勤しんでいます」
(下)「ロイヤルガーデナーズクラブのガーデンジョーロ。おしゃれなだけでなく、使い勝手も抜群。フタがついているので、沢山水を入れても溢れません。底にフックがあり、引っ掛けることができて便利なんです」