「香り」で演出。部屋の魅力を上げるルームフレグランスの選び方

ふとした香りで、遠い昔の感情や情景を思い出した経験はありませんか。また、疲れた心を癒してくれたり、気持ちの後押しをしてくれたりと、「香り」は記憶や感情といった人の心と関わりのある部分にダイレクトに影響を与えると言われています。

このことから近年、新しいお店作りや商品開発において香りは大変重要視され、その魅力アップの為に積極的に利用されるようになってきました。同じように、香りを住まいに上手に取り入れることで、プライベート空間をより素敵な環境に整える「ルームフレグランス」にも、女性を中心に関心が高まっています。

今回は、自分に合った香りで住まいの魅力度をアップさせ、さらに心と体を健やかに整えるルームフレグランスの選び方をご紹介します。

部屋の香りが心に影響する理由

香りを感知した瞬間、「いい香り～」「駄目なニオイ！」と瞬時にジャッジを下していることはありませんか。特に、女性は香りに敏感な人が多く、好き嫌いもはっきりしています。部屋の香りが心に影響する理由は、このように香りに反応して感情が動かされることが大きく関係しています。

例えば帰宅した時、部屋の香りは自分の空間に帰ってきたという安堵の感情を呼び起こします。部屋に帰ってくるなり、空気を吸い込んで深呼吸をすることはありませんか。部屋の香りを感じ取りリラックスする行動を、自然と取っているのかもしれません。

では、そんなお部屋のルームフレグランスは、自分に合ったものをきちんと選べているでしょうか。ぜひ上手な香り選びを知って、自分のお部屋をより深いリラックスが得られる空間に変えていきましょう。

上手なルームフレグランスの選び方

香りの基本

香りは多くの分類がありますが、有名なところで「フローラル」「シトラス」「ハーブ」「ウッディ」「スパイシー」「バルサム」「オリエンタル」などです。その中でも優雅で華やかな花の香り「フローラル」は特に女性に好まれ、香水や洗濯柔軟剤などの香りにも用いられることが多いものです。

また、香りには以下の特徴があります。

混ざり合うと違う香りになる
長く残るものもある
時間がたつと自分ではわからなくなる

私たちが香りを扱うときにも、その特徴を理解し、その他の香りとのバランスをとりつつ、部屋の目的に合った香りを使い分けることが大切です。

部屋と目的に沿った香りを選ぶ

１．玄関には爽やかな香りがおすすめ

玄関は外から帰ってきて一番に足を踏み入れる場所・人を迎え入れる場所であると同時に靴という「ニオイ」の発生源の置き場所でもあります。

玄関は１に消臭、2が香りです。まず、消臭を徹底しましょう。その後に「爽やかな香り」、特にユーカリ・ペパーミントなど柑橘系の香りがおすすめです。女性が好きな甘い香りは、空気がこもりがちな玄関にはあまり適しません。

２．リビングは微香タイプのルームフレグランスを

一日のうちで一番長い時間を過ごすのがリビングではないでしょうか。この空間のルームフレグランスはインテリアテイストに沿った香りを選ぶのが基本です。例えばアーバンモダンなリビングにフローラルな香りを用いたい場合には、同じ花の香りでも愛らしい香りよりは洗練された香りを選択したほうが、より部屋の魅力がアップします。

住宅などのモデルルームではルームフレグランスは必ずと言っていいほど用いられ、素敵な部屋の演出が行われています。ただ、実際の生活空間では日々の調理のにおいと混ざりあうことが考えられる為、あまり強い香りはお勧めしません。女性に人気の香りはオレンジ、ベルガモットなどの柑橘系、ローズ、カモミールなどのフローラル系です。

３．寝室は深いリラックスが得られる香り

整った寝室でゆっくりリラックスして、質の良い眠りにつきたいものです。寝室にはリラックス効果の高い香り、ラベンダーがお勧めです。日常生活で張り詰めた気持ちを和らげ、ほっとさせてくれる香りです。柑橘系の香りを持つベルガモットも、すっと入り込んでくるリラックス効果が高い香りです。

ルームフレグランスは好きな香りであることが最も重要

このように部屋ごとに適した香りというのはありますが、香り選択時の最後の決め手になるのが「好き」と思えるかどうかです。単純なことではありますが、「好き」であることは自分の心と体にとても良い影響があります。もし、代表的な香りを試してみて「物足りない」「もう少しこうだったらいいのに」と思ったら、香りは混ざり合うと違う香りになるという特性を活かして、自分だけの香りを探してみてください。実際に香りを感じてみて、体と心がほどけるような感覚に出会えれば、それは最高の相性に間違いありません。