便秘に効果あり⁉身近なあのフルーツで腸内を一掃!
女性の多くが便秘に悩んでいるのではないでしょうか。便秘は、からだ全体の健康や精神状態にも影響することが分かってきています。
薬を服用しての一時的な改善もひとつの手ではありますが、根本的に治していきたいのが、長年便秘に悩む女性たちの望みだと思います。便秘の改善には、数えきれないほど多くの方法があるとは思いますが、ここでは腸内のしくみを理解し、根本的な改善へと導く方法を身に付けていきましょう。
【腸内フローラとは】
「お花畑」という意味であるフローラ。
なんとも可愛らしい呼び名が付いていますが、腸内フローラとは、わたしたちのからだの腸内にある無数の細菌の群生のことを指しています。腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。
この3つの腸内細菌(腸内フローラ)の理想のバランスは…
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7 です。
善玉菌:乳酸菌・ビフィズス菌
体に良い影響のある菌。
腸の働きを活性化し、便秘や下痢の予防、抵抗力を高める働きがある。
悪玉菌:ブドウ球菌・ウェルシュ菌
体に悪い影響のある菌。
腸内を腐敗し、便秘や下痢を起こす。発がん性物質をつくる。
日和見菌:バクテロイデス・連鎖球菌
良い働きも悪い働きもしないが、悪玉菌が増えると有害な作用を及ぼすことがある。
腸内フローラのバランスを整えると栄養の吸収率もアップするので、過食を防ぐことができます。便秘やむくみの解消、肌の健康維持にも効果的ですね。
【腸内のバランスを整えて心身ともに健康に!】
では、腸内の善玉菌を増やしてみましょう!
とはいっても、簡単に増えるものではありません。善玉菌を含む食品の摂取や、それらの食品の継続的な補給が必要です。
乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトやチーズなどの乳製品、納豆やキムチなどの発酵食品をこまめに摂ってみてください。また、善玉菌は食物繊維やオリゴ糖をエサとするため、きのこや海藻類、大豆やバナナを積極的に摂りましょう。
納豆は悪玉菌を減らす効果もあるので、一石二鳥の優秀食材です。
食事以外でも、運動や睡眠によって腸内の環境を整えることができます。夕方以降の運動は、心のバランスを整えるセロトニンという物質を分泌します。会社帰りの歩行やウォーキング、ストレッチなどで下半身を意識して動かすようにしましょう。リラックス効果のある副交感神経は夜12時頃にピークを迎えるため、日付が変わる前に就寝できるように心がけてみてください。
【女性はなぜ便秘する?】
男性よりも女性のほうが便秘に悩んでいますよね。簡単に言えば、女性ホルモンが関係しているために便秘を引き起こしています。
排卵後や妊娠中に働くホルモンには、からだに水分を溜め込む作用があります。よって、腸内の水分が男性よりも不足しやすくなるため、排便に支障をきたしてしまいます。
便秘により腐ったものを溜め込んでいる状態が続いた腸内には悪玉菌が増殖し、慢性的な便秘やさまざまなからだの不調にも繋がっていきます。
【慢性便秘症改善に期待のフルーツ】
慢性の便秘に悩む女性にとって、便秘改善の情報は常に気になるもの。さまざまな方法が情報として流れており、それらの方法をいくつも試していませんか。人の腸内はひとりひとり違うため、効果については試してみないとわかりません。
今回は、便秘に有効なひとつの方法をご紹介します!
キウイフルーツ
年間通してスーパーで見かけるキウイフルーツ。価格も比較的安価であり、手に入りやすいですよね。キウイに含まれている栄養素には、便秘改善の効果があるといわれています。
・キウイフルーツに含まれる多糖類
食物繊維のうち、水に溶けるものを水溶性食物繊維といいます。水溶性食物繊維もいくつかの種類に分けられており、ペクチン、セルロース、アルギン酸、グアーガムなどがあります。キウイフルーツに含まれるペクチンやセルロースなどの多糖類は、糖の吸収を穏やかにするほか、腸内の乳酸菌などの善玉菌を増やして有害物質を排泄する効果があると認められています。また、保水して膨らんだペクチンは腸管を刺激し、蠕動運動を促すことで便通の改善も期待できるとされています。
便秘改善には1日2個のキウイフルーツを!
便秘改善に効果的なキウイフルーツの摂取量は1日2個。1日の食物繊維の目標摂取量は20~25gであり、キウイフルーツには100g(可食部)当たり約2.5gの食物繊維が含まれています。100gは皮をむいた大きめのキウイフルーツ約1個分です。キウイフルーツ2個で約5gの食物繊維を摂取することができます。
キウイフルーツには腸内フローラのバランスに必要な食物繊維だけでなく、ビタミンCやビタミンE・カリウムなど、健康なからだ作りに必要な栄養素も豊富に含まれています。腸内フローラのバランスを整え、便秘改善効果が期待されるキウイフルーツの力を、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
【バランスのとれた腸内フローラで心身ともに健康なからだへ】
アンバランスな腸内は、便秘や腸の疾患だけでなく全身の状態にも影響を及ぼします。腸内環境が乱れると生理的・病理的変化が脳へと伝えられ、精神状態にも影響することが分かってきています。
腸内フローラのバランスを整えることで、わたしたちのからだは大きく変わります。ダイエットが成功しやすいからだに変化し、ストレスにも強く、アレルギー反応を起こしにくくなる効果があるといわれています。
便秘の改善は、同時に腸内フローラのバランスを整えるひとつの手段です。ご自分に適した方法を見つけて、腸内だけでなく心身ともに健康な毎日を送っていきましょう。
≪参考≫五訂食品成分表2002/女子栄養大学出版部
栄養キーワード事典/池田書店