夏の過ごし方が冬の冷え性をつくる
阪本敏宣(さかもと・としのり)
ナチュラルキュア表参道治療院院長。柔道整復師、鍼灸師、JCDCカイロプラクティックドクター、日本医療ビジネス大学校教員運動学整形外科学担当、オハイオ州ITCウマ科動物マッサージ療法士。
上に記したお悩みは、この時期になると私の治療院にいらっしゃる患者様からよくいただくご相談の一部です。
これらのお悩みの要因は、知らないうちに冷えたカラダをつくってしまう夏の過ごし方にあります。
冷えすぎの原因になりがちな服装、たとえば足首が出たサンダルや大きく肩の出るようなトップス。ついつい選んでしまう冷たい飲み物や食べ物。それらはすべてカラダを芯から冷やし、むくみや胃もたれ、食欲不振、全身のだるさなどの症状が現れるとともに、様々な病気に対する免疫力も下げてしまいます。
またコロナ禍により家で過ごす時間が増えて、始まったばかりの新しい生活様式にも慣れず疲れてしまっている方が多い、と実際にお会いする患者様から感じます。カラダの不調だけでなく、夏場の慣れないマスクによるストレスや緊張感から、少し肩の力が入った毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
この号では、家で運動をしようという積極的な提案ではなく、自分自身に寄り添い、ゆったりと流れる時間を楽しみながら、「あれ今日はちょっとなんかイイかも?」「自分のことを大切にできた」「心や気持ちが、すっと落ち着いた」と感じられ、どなたでも簡単にできるセルフお灸のやり方と、すぐできるカラダケアのご紹介をします。
お灸のポイント三か条
- 火を使うことで水気の症状を打ち消す
- 熱さの感じ方で体調の変化を感じる
- 自分と向き合う豊かな時間となる
合谷【ごうこく】
[効果]
万能ツボと呼ばれ、冷えや風邪のひき始め、目、鼻の不調、二日酔いなどに効きます。お灸初心者の方はまずは合谷から始めてみましょう。
足三里【あしさんり】
[効果]
腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸の不調に効き、夏バテ対策として最適。足の疲れやむくみ、体力増強の効果もあります。
三陰交【さんいんこう】
[効果]
女性を表す“陰”が三つ交わるツボ。生理痛や冷え、ひざの痛みやほてり、更年期障害といった女性特有の疾患に効果があります。
太衝【たいしょう】
[効果]
“足の目”ともいえる場所で、眼精疲労、視力低下、頭痛などに効果があり、目をよく使う人におすすめ。肝機能の疲れにも効果があります。
中脘【ちゅうかん】
[効果]
食欲不振、消化不良、胃痛など、内臓系の疾患に効果的。また、頭痛やめまい等のエネルギー不足からくる症状にも効果があります。
<今回使用したのは> 長生灸 お灸日和
煙が少ないタイプのお灸。火をつけるとほのかにフルーツの香りがただよい、リラックスしながらお灸が楽しめます。燃焼時間が他の長生灸と比べて長いのが特徴です。
商品に関するお問い合わせ先 山正 https://moxa.net/
✓ 長時間クーラーの効いた部屋で過ごすことが多い
✓ 冷たい飲み物や食べ物をよくとる
✓ 最近だるさを感じる
✓ 胃がもたれやすくなった
自分のカラダを触り、どういう状態か知ることが大切
日常生活で気をつけるべきことはたくさんあります。カラダの不調の治療方法は人の数だけあると言ってもいいくらい、様々。皆さんは意外と自分のカラダがどういう状態なのかを知らないのではないでしょうか? ゥ分のカラダを触ってみて、手を当てて、自分がどういう状態なのかを知ることはとても大事なことです。また、カラダを動かしてみると、どのように動くのか、あるいは動かしづらいのかを知ることもできます。まずは自分のカラダを知ることから始めてみてください。
やってみよう! 足首回し
足首できれいな円を描くように回してみましょう。左右両方やってみると、得意な方と不得意な方があると思います。足首が硬い人は冷え性だったり、腰が悪かったりする場合があります。内回し、外回しときれいな円が描けるようになると、いろいろな疾患が改善されていきます。
できない人は手を使って!
最初は足だけで円を描くのは難しいかもしれません。そんな時は手で補助をしてしっかり回してみましょう。慣れてきたら補助なしでやってみてください。
触るだけ! ボディナビゲーション
どこか痛いところがあるときは、自然とそこをさすると思います。さする、触るという行為を意識的にやることが自分のカラダを知ることに繋ります。つまり、自分の手当てです。これは認知行動療法であり、どういう状態かを知ることになります。
住 所:〒107-0062 東京都港区南青山3-14-3
電話番号:03-5775-2723(完全予約制)
営業時間:平日 11:00〜21:00(最終受付20:00)土 11:00〜17:00(最終受付16:00)
(時間外診療相談可)夜10時以降入店可
※上記診療時間外の診療をご希望の方は、事前にご予約いただければ対応いたします。
定休日:日曜・祝日(休日診療相談可)
撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/佐久間一彦