知っておきたい『福祉用具のHOW TO 2』
介護の受け手も担い手にも大切な福祉用具。
購入だけではなく、レンタルできることはご存じでしたか?
今回は、レンタル契約をされてからのメンテナンス
などのアフターサービスについて、お話を聞きました。
撮影/松本 健 取材・文/めりぃさん編集部
国吉高志
株式会社メディケアー
2012年入社。福祉用具プランナー、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級。
「利用者さまご本人の希望やまわりの環境を考慮し、ベストな住環境づくりを目指します」
曾我皆美
株式会社メディケアー
2018年入社 福祉用具専門相談員、アフターサービス専門スタッフ。
「利用者さまひとりひとりに寄り添い、定期的な訪問を通じて、安心・安全・笑顔をお届けします」
―今回は、利用者さまが福祉用具のレンタルを決められてから、その後の流れについて教えてください。
国吉 福祉用具のレンタルが決まったら、まず私たち専門相談員が利用者さまのご自宅に出向き、利用者さまやご家族のご希望を伺いながら、お体や住環境に適した福祉用具を選んでいきます。この工程をアセスメントといいます。
一本杖をご希望の利用者さまにお会いしてみたら、一本杖よりも安定している四点杖や歩行器のほうが適しているのではないか、というケースが多々あります。利用者さまの〝今〟の状態を把握すること、見えないニーズを引き出すためにも、このアセスメントに重点をおいています。
―ただ使いたいものを選ぶというのではなく、住環境や生活動線、利用者さまの日常生活動作や生活の質の維持も視野に入れて選定されているんですね。
国吉 はい。福祉用具専門相談員の仕事は、ただ必要なものを納品して終わるのではなく、利用者さまの自立した生活を継続すること、できなかったことが少しでもできるようになるように支援していくことです。利用者さまの活動範囲、行動範囲を広げたり、ご家族の介護負担を軽減したり、その先にある利用者さまのよい未来のためのレンタルだと思っています。
―レンタルできる福祉用具の中には、ベッドのような大型のものも含まれていますが、導入も自社で行っているのですか?
国吉 納品は自社スタッフで行います。さらにメディケアーでは、介護ベッドのレンタル導入とセットで、古いベッドの回収も行うことができます。これが、ご家族やケアマネジャーの方々からとても喜ばれています。自分でベッドを処分するとなると大変な手間がかかりますよね。そのせいか、介護ベッドの導入を迷っていた、という利用者さまやご家族も大勢いらっしゃいました。
―福祉用具をレンタルすると、利用者はどのようなサービスを受けられますか?
曾我 レンタルを開始された後、私たちアフターサービス専門スタッフが定期的に利用者さまのご自宅へ伺い、用具のモニタリングやヒアリングを行います。
―モニタリング、ヒアリングとはどのようなことをされるのですか?
曾我 モニタリングでは、福祉用具の点検や調整を行います。ヒアリングでは、利用者さまから疑問点やお困りごとなどを丁寧に伺い、対策や解決策をご提案します
―福祉用具を使用することで、体の状態が改善することもあるのでしょうか?
曾我 よくあります。お元気になられることが、私たちが望む理想の形でもありますし。用具のメンテナンスには6か月ごとにお伺いしているのですが、次に利用者さまのところへお伺いしたときに、「最初の頃は使用していたけれど、最近は体の状態がよくなり、そろそろ返そうと思っていた」というケースも。メンテナンス時に福祉用具を持ち帰ることもありますね。
―メンテナンスの頻度は6か月に一度と決まっているのですか?。
曾我基本は6か月ごとの定期訪問になっています。それ以外は、必要に応じて随時訪問する形を取っています。
国吉 連絡をいただき、迅速なご対応が必要な場合は、できる限り即時対応を心掛けています。
利用者さまの状態や住環境を素早く読み取り、快適な生活を提供します。
―導入の際、利用者さまやご家族の方に配慮されていることはありますか?
国吉 手すり一つをとっても、サイズや形はさまざま。利用者さまやご家族のお話を伺いながら、最適なものをご提案させていただいています。
曾我 杖や歩行器などはデザインが豊富ですね。色や柄など、利用者さまの好みに合わせてデザインを選べます。
―今や、福祉用具もおしゃれの一部という感じですね。
国吉 よひと昔前はデザインが限られていました。今は多くの種類があり、カタログを開くとさまざまなデザインが並んでいます。これまで敬遠していた方も「使ってみようかな」と思ってくださるようです。ベッドはお部屋の雰囲気に合うような木調タイプや、車椅子にはチェック柄、花柄があったりと多種多様で、介護色が前面に出ないところも喜ばれるポイントです。
曾我バリエーションが豊富なので、「カタログを見ることが楽しみの一つ」というお声もよく聞きます。
利用者さまとご家族に寄り添い、良質なサービスができるよう意識して接しています。
―最後に、この仕事を選ばれたきっかけや、大切にされていることを教えてください。
曾我 かねてから、人の役に立てる仕事に興味があり、なおかつその実感を得られる仕事をしたいと思っていました。就職活動中に、メディケアーのアフターサービス職は女性スタッフが多く、外回りも行うということを知り、ほかの会社にはないことだったので、応募したのがきっかけです。
仕事で大切にしているのは、常に利用者さまやそのご家族の声に耳を傾け、寄り添える存在になること。相手の立場に立って考えなければ、本当にその人に合った提案も良質なサービスもできない仕事だと思うからです。利用者さまとの会話は、信頼関係にもつながると思うので、心を開いて安心していただけるように努めています。
国吉 私は利用者さまと接する際、日頃から傾聴する姿勢を大切にしています。介護を受けられる方は、私たちよりもたくさんの経験を積んでこられた人生の先輩です。ご自宅へ伺うとき、さまざまなお話をする中で気づかされることや学ぶことがたくさんあります。
福祉用具を活用することで、笑顔や喜びが一つでも増えるよう、利用者さまの身体負担やご家族の介護負担が少しでも軽減されるよう、日々仕事に向き合っています。
かかりません。利用者さまに安心してレンタルを活用していただくための付帯サービスです。
何度でもご使用方法のご説明に伺います。もちろん無料です。
パンクを含め、レンタルしている福祉用具に不具合がありましたら同商品と交換または修理をしますので、ご連絡ください。
大型のものは重量があるため、ケガを防ぐためにも移動を希望する場合はご連絡をいただければ、すぐにお伺いします。