メールでは伝えきれない想いを込めて 大切な人に手紙を書こう
イラスト/南 佳奈江 構成・文/明滝 園
送信ボタンを押せば、すぐにメッセージが届けられる時代。
だからこそ、大切な人に自分の想いを綴った手紙を送ってみてはいかがでしょうか。
マナーや書く楽しみをご紹介します。
むらかみかずこ さん
むらかみ・かずこ●一般社団法人手紙文化振興協会 代表理事。気持ちが伝わる手紙や文章の書き方、美文字の書き方などの学習教材を開発・運営する他、全国各地に手紙の書き方講師を育成。オリジナル文具の海外通販事業も行う。企業向け研修・講演会も多数実施。著書・監修書多数。
手紙は書き手の温かさがつまったプレゼント
SNSで連絡を取り合う昨今、めりぃさん読者世代もすっかりメールでのやりとりが増えているのではないでしょうか。
確かに、携帯電話やスマートフォンが普及する前は、手紙は重要な連絡手段の一つであり、書き方もある程度のマナーが重んじられていました。
しかし今では、贈り物に一筆添えたり、ちょっとした気持ちを伝えてお互いの心の距離を縮め、信頼関係を築くツールへと変化してきています。
おさえるべきマナーはありますが、以前ほど縛られる必要もありません。
それならば書いて楽しい、もらってうれしい手紙を書いてみませんか? 何を書こうか、どんな絵柄のレターセットが喜ばれるかな…。
手紙を書く時間は、受取人に想いをはせる時間でもあります。早速、大切な人にあなたの気持ちを書いて届けましょう!
最低限のマナーを知っておくと、自分自身が安心して手紙を書くことができます。
まず心掛けたいことは、受取人が読みやすいようにということです。
料金やサイズを確認しよう
料金不足で投函すると差出人に返送されたり、受取人が不足分の郵便料金を請求されたりします。料金がわからず不安な場合は、郵便局の窓口でサイズと重さを確認してから出しましょう。
- 定形サイズ… 最大23.5×12㎝、厚さ1㎝、50g以内
- 定形外サイズ… (規格内)最大34×25㎝、厚さ3㎝、1㎏以内(規格外)長さ+幅+厚
さ=90㎝(長さの最大は60㎝)、4㎏以内 - 通常はがき… 郵便局などで販売されているはがき。最大15.4×10.7㎝、2~6g以内
- 私製はがき… 文具店で販売されたり、手づくりしたりしたもの。通常はがきのサイズや重さと異なると定形外郵便物(レターセット)扱いとなります。投函する前に確認しましょう。
- 切手料金は2021年11月現在のものです。
宛名は必ず正確に書く
受取人の名前は正確に書きましょう。
お付き合いが長い相手の名前ほど、間違えて覚えているケースがあります。例えば、“み”と読む「美」「実」「未」や、“ゆう”と読む「裕」「祐」「佑」などは名前によく使われ、かつ間違えやすい漢字です。
宛名を正しく書くことは、相手への敬意を表すことでもあります。漢字は略字ではなく、正式な書体で書きましょう。
レターセットとはがきの使い分け
書くことがたくさんあるときはレターセット、季節の挨拶など内容が短いときははがきを用いる人が多いと思いますが、原則的に使い分けのルールはありません。
デリケートな話題(ご不幸、お金、病気、仕事など)を書くときは、内容が外から見えないよう封筒を用いたほうが良いでしょう。
伝えたいことが簡潔であるなら、便箋の代わりに一筆箋でも◎。
印象を決める 宛名の正しい書き方
宛名は受取人が最初に見る手紙の文字。書き方を意識するだけで美しく見えます。
郵便局の人にもわかりやすいよう、下の書き方を参考にしてみてください。
封筒
和/洋封筒とはがきの統一ルール
文字の大きさは、宛名>差出人の名前>宛先>差出人の住所>日付。
- 郵便番号… 記入する枠がない場合は、住所の上に書く。
- 宛先… 1行に収まらない場合は、2行目を1字下げて書く。縦書きには漢数字を、横書きには算用数字を使用する。
- 宛名… 封筒の中央部に、宛先から1字下げた位置から書き始める。
- 封字…「封」「緘」、または簡略化した「〆」と書く。洋封筒で横書きの場合は省略可能。
- 差出人…和封筒は中央の継ぎ目をはさんで右側に住所、左側に氏名を書く。継ぎ目の左側に住所と氏名を記入してもOK。洋封筒は封筒の下部中央に住所と名前を書く。
- 日付… 差出人の左上に小さく書く。
はがき
- 宛先… 縦書きなら書き方は和封筒と、横書きなら洋封筒と同じ。
- 宛名… 中央に宛先から1字下げて書く。
- 差出人… 縦書きなら左下の郵便番号の上に、横書きならはがきの右下に書く。
※基本的に、はがきの表面に日付は書かない。
意外と知らない!?便箋の折り方
便箋は、文面が内側に、かつ文頭から開けるように折って入れます。
イレギュラーなサイズの便箋は封筒に入るように折りたためばOK。
※水色の面が文面です
縦書き/四つ折
- 便箋を下から2つ折りにし、上からさらに2つ折りにする。
- 文頭(●がついた場所)が封筒の裏側に向くように入れる。
縦書き/三つ折
- 便箋の下3分の1を折り、上3分の1をかぶせるように折る。
- 文頭(●がついた場所)が封筒の裏側に向くように入れる。
横書き
- 便箋を下から2つ折りにしたら、今度は縦に2つ折りにする。
- 文頭(●がついた場所)が封筒の裏側に向くように入れる。
3.①自分側に倒す。
4.②時計回りに90度回転させる。
5.完成