甲斐みのりさんが旅先で見つけた 冷たいお菓子12選
どんどん暑くなってきて、冷たいものが美味しく感じる季節が巡ってきました。
全国各地を飛び回り、素敵なもの・美味しいものを見つけてきた文筆家・甲斐みのりさんに、
目にも舌にも涼しいお菓子をご紹介いただきます。
撮影/小林大介 文/甲斐みのり 構成・編集/岸田祐佳
冷菓やドリンクを取り寄せ
夏に室内で楽しむ旅気分
旅先で何度か同行者に驚かれたことがあるのが、私が朝からアイスやプリンやゼリーなど、冷たいお菓子を食べること。溶けてしまうものや冷えたものは特に、一期一会という思いが強くて、旅先で出合うとその場で味わわずにはいられません。とはいえ今は手軽にお取り寄せができる便利な時代。今回ご紹介しているものはすべて、現地を訪れずとも自宅で味わえるものばかりです。日に日に日ざしが強くなる今、暑さを避けて室内で過ごす時間も増えてきました。なかなか出掛けられない時には、冷菓やドリンクを取り寄せて旅気分を味わうのも、この季節ならではの楽しみです。
01 日北極(大阪)
北極のアイスキャンデー
大阪難波で昭和20年から続く老舗のアイスキャンディー店。素材や製法にこだわり、8人の職人が1日約6000本手作りする。液状の“もと”を型に流し込んで棒を入れ、−24度で冷凍。斜めに刺さったひのきや杉の棒は、最後まで落ちにくく食べやすいようにという心遣い。ミルク、ココア、ミックスジュース、あずき、パイン、イチゴ、オレンジ、抹茶など種類も豊富。(おまかせ20本セット・3,400円)
02 BLANCO(熊本)
BLANCO ICE CREAM
阿蘇山のふもとに位置する、熊本県山都町出身のアイス好き3人が始めたアイスクリームショップ。できる限り、地元産のオーガニックな食材を使って、誰でも安心して味わえるアイスクリームづくりをおこなう。定番のフレーバーは、「クラシックミルク」「ストロベリークリームチーズ」「塩キャラメルミルク」など8種類。「BLANCO」という名前はスペイン語で「白」を意味する。(6flavor 6個set・3,240円)
03 児玉冷菓(秋田)
ババヘラアイス
バラ盛りが愛らしい児玉冷菓のババヘラアイス。秋田の夏の風物詩となっているその名称は、売り子のおばあさんが2色のアイスクリームをヘラで盛り付けていたことに由来する。シャーベット状でシャリシャリとした素朴な食感が涼やか。昭和23年から続く男鹿市の児玉冷菓では初代の頃、自転車の荷台にアイスキャンディーをのせて売り歩いていたそう。(Dアイスタッパ&バラ盛りカップセット・3,380円)
04 パティスリー ヤナギムラ(鹿児島)
フローズンしろくま
柳村豊仁氏がオーナーシェフを務めるパティスリーの人気商品。鹿児島ならではの郷土おやつとして知られる、練乳をかけたかき氷にフルーツを添える「しろくま」を独自にアレンジ。濃厚な味わいの練乳をたっぷり含んだフローズンアイスの中に、ミカン、モモ、パイン、ブドウ、ブルーベリー、チェリーと、6種類のフルーツがごろごろと。愛らしいくまの耳や目はチョコレート製。(フローズンしろくま【ブランちゃん】【ミルジュちゃん】・各702円)
05 ブルーシール(沖縄)
hug3do
アメリカ生まれ、沖縄育ちのアイスブランド「ブルーシール」が、新たに手がけるサンドアイス専門店『hug3do(ハグサンド)』。店頭では、自家製クッキー、アイス、トッピングを選んで、自分だけのオリジナルを味わえる。色鮮やかなギフトセットでは、スタッフおすすめの組み合わせを8種類楽しめる。ちんすこうでサンドしたフレーバーもあり、1つで十分な食べ応え。(ハグサンドギフト・3,900円)
06 フルーツパーラー クリケット(京都)
クリケットゼリー
京都中央卸市場の業者だった店主が、京都・金閣寺近くに昭和49年に創業したフルーツパーラー。旬のフルーツとともに愛されているのが、オレンジ・グレープフルーツ・レモンと、みずみずしい柑橘をまるごと使ったゼリー。果肉をくり抜き、ゼラチンで固めた果汁を、外皮を生かした器に流し入れてあり、フルフルの食感を楽しめる。別添えの生クリームをのせてどうぞ。(3個セット・2,600円〜)
07 大竹菓子舗(青森)
たぬきプリン
昭和43年に青森県十和田市で創業した「大竹菓子舗」。和菓子職人だった先代のこだわり と、フランスで修行を積んだ当代・パティシエの技術を融合し、地元の食材を生かした菓子づくりが評判。たっぷりのクリームをのせたなめらかな口当たりのプリンと、創業時からつくり続けてきた「たぬきケーキ」を合わせた「たぬきプリン」は、チャーミングな姿で味わう人みなとりこに。(4個セット・2,700円
08 ふみこ農園(和歌山)
フルーツゼリーボールコンポート
和歌山県有田川町から紀州の特産物を使った製品を全国に届ける「ふみこ農園」。中でも、キラキラ輝くジュレと、ミカン、メロン、イチゴ、ライチの果汁とコンニャク粉を合わせたヘルシーなゼリーボールを瓶に詰めた「フルーツゼリーボールコンポート」は、夏のデザートにもってこい。そのまま冷やして食べても、かき氷やドリンクと合わせてアレンジしても。(3本セット・3,499円
09 まるもち家(京都)
水まる餅
京都・伏見稲荷大社近くに本店を構える餅菓子の店。そこで人気を博するのが、天然水、 砂糖、寒天と、シンプルな素材でつくる新感覚のわらび餅。透明の風船を付属の爪楊枝でプチンと割ると、中からつるんと「水まる餅」が飛び出る。ぷるぷるの餅に、お好みの量のきな粉と黒蜜をかけて口の中へ。まるで水を食むようなみずみずしい口溶け。SNSで話題なのも頷ける。(3個入 黒蜜、きな粉付・2,600円)
10 もりやま園(青森)
テキカカシードル&テキカカアップルソーダ
青森県弘前市の「もりやま園」は、日本でリンゴづくりが始まった時代の100年以上前、明治時代から続くリンゴ園。「テキカカシードル」は、摘果(果実の間引き)され、これまで破棄されてきた未成熟リンゴを主原料として活用した世界初のシードル。「テキカカアップルソーダ」と同様に、甘さを抑えたドライな味わいで、さまざまな料理とともに楽しめる。(シードル&ソーダ計6本セット・3,778円)
11 丸福珈琲店(大阪)
瓶詰めコーヒー 加糖(アイス用)
昭和9年に、大阪の千日前(せんにちまえ)で創業し、濃厚なコーヒーの味わいで知られる「丸福珈琲店」。 オリジナルの焙煎機とドリッパーを使って職人が抽出する、深いコクと香りのコーヒーをそのまま瓶詰めした「瓶詰めコーヒー」は、おみやげや贈り物として評判に。たっぷりと氷を入れたグラスに注ぐだけで老舗の味ができあがり。セットのポーションクリームを注ぐとその濃厚さによって2層に分かれる。加糖の他に無糖もあり。(1本・408円)
12 原次郎左衛門 まるはら(大分)
虹色ラムネ
明治32年に大分県日田市で創業した味噌醤油蔵が、地元の美味しい地下水を使って、夏の仕込みの合間につくり始めた「虹色ラムネ」。赤キャベツ・ベニバナ・クチナシと、野菜や花から抽出した天然色素を使ったラムネは、光に当たると少しずつ色が消えていく儚い様が虹を思わせることから、その名がつけられた。味は、アップル、レモン、オレンジなど6種類。(24本入り・4,428円)