食欲の秋におすすめの映画3選【ラブストーリー編】
観るだけでお腹がすく食欲の秋にぴったりな映画をピックアップ。
インドのお弁当、本格フレンチから甘~いチョコレートまで世界各地のお料理が見どころです。
料理を作る人々をめぐる大人なラブストーリーにも注目です。
【1】インド・ムンバイのお弁当事情が恋を生む『めぐり逢わせのお弁当』
画像はAmazonより
作品情報
『めぐり逢わせのお弁当』(2013年)
監督・脚本: リテーシュ・バトラ
出演:ニムラト・カウル、イルファーン・カーン、ナワーズッディーン・シッディーキー
ストーリー
インド・ムンバイでは、お昼どきダッパーワーラーと呼ばれる弁当配達人がオフィス街でお弁当を配って歩く姿が見られる。
主婦イラは夫の愛情を取り戻すため4段重ねのお弁当を作っていた。ところが、そのお弁当は夫ではなく、男やもめのサージャンのもとへ…。
イラは、空っぽのお弁当箱が返ってきたことに喜ぶが、お弁当を完食したはずの夫の反応はいつもと変わらない。
不審に思ったイラは、翌日のお弁当に手紙を忍ばせる。偶然の誤配送がめぐり逢わせた男と女の恋の行方は…。
(Amazon Prime Video作品説明参照)
おすすめポイント
「ダッパーワーラ―」とは、家庭でつくられた温かいお弁当を収集して仕分けし、各職場まで運ぶ弁当配達人のこと。
1台の自転車に何十個ものお弁当をぶら下げて配達する光景はムンバイではお昼のあたりまえの光景となっています。ダッパーワーラーの誤配達の可能性は600万分の1。
そんな中、主人公イラとサージャンが出逢うという偶然性がドラマを生み出します。イラがつくる4段重ねのお弁当の中身は、ガスコンロで直接あぶる丸いナン、パニール(インド風カッテージチーズ)を使ったなめらかなカレー、旬の野菜の和え物、オリジナルに調合したスパイスを使った炒め物にライス。
調理シーンやお弁当を広げる場面では、スパイスの香りが画面から漂ってきそうです。
人妻イラと妻を亡くしたサージャン、二人の連絡手段はお弁当箱に忍ばせた手紙のみ。
手紙だからこそ言える本音やストレートな言葉のやり取りを経て、しだいに二人は逢いたい気持ちを募らせていきます。ぜひ物語の結末を見届けてください。
【2】『マダム・マロリーと魔法のスパイス』
画像はAmazonより
作品情報
『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(2017年)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ヘレン・ミレン、オム・プリ、マッシュ・ダヤル、シャルロット・ルボン、ミシェル・ブラン
ストーリー
南フランスでミシュラン1つ星老舗フレンチレストランを営むマダム・マロリーは、夫の死後、このレストランを切り盛りするのが生きがいだった。
ある日、レストラン向かいの空き家に、故郷を追われて南フランスにたどり着いたインド人のカダム一家がインドレストランを開業する。
静かな雰囲気のフレンチレストランとは対照的に、大音量のインド音楽を流しながら強烈なスパイスの匂いを漂わせるインドレストラン。
マダム・マロリーとカダム一家の父親は対立する。そんな中、マダム・マロリーはライバルのシェフでカダム一家の次男ハッサンの料理を味見。
その「絶対味覚」と「料理のセンス」に天賦の才能を感じてしまう。
一方、ハッサンは、マダム・マロリーの店で副料理長を務めるマルグリットに惹かれ始めていた。
(プレス資料参照)
おすすめポイント
ベストセラー小説を原作に、スティーブン・スピルバーグが製作を務めたエンターテインメント。
スパイスをたっぷり効かせたカレーや、タンドリーチキンなど定番のインド料理やハッサンがつくる魚介をたっぷり使ったパエリアに似た新しい料理からは活気を感じます。
一方、南仏野菜を添えるなど美しく盛りつけられたコース料理に、ベリーをたっぷり使ったタルトといったフランス料理は、一皿一皿が伝統を引き継ぎつつも洗練されています。
実際に朝市(マルシェ)で有名な町が舞台になっていることもあり、ハッサンやマルグリットが買い出しするシーンではカラフルな野菜や新鮮な魚介類に目を奪われます。
対立するレストランで働きながら惹かれ合うハッサンとマルグリットの関係、そしてバトルを繰り広げるマダム・マロリーとカダム家の父親はどうなるのか⁉ ラストまで目が離せません。
【3】甘いチョコレートが人々をつなぐ『ショコラ』
画像はAmazonより
作品情報
『ショコラ』(2000年)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演: ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・ディンチ、アルフレッド・モリーナ
ストーリー
1959年の厳格なカトリック教徒たちが住むフランスの小さな村が舞台。
ある冬の日、その村に謎めいた母娘がやってきた。母親のビアンヌは村にチョコレートショップを開く。
その店は客の好みにピタリと合わせたチョコレートを提供すると評判になり、村人たちは夢中に。
ところが、断食期間であるにもかかわらず、隠れてチョコレートを食べた者がいたことが発覚。
村の指導者レノ伯爵はビアンヌを村から追放しようとする。
そんな中、ジプシーの青年 ルーの船が村を訪れたことで、さらなる変化が生まれる。
(プレス資料参照)
おすすめポイント
公開当時のアカデミー賞、ゴールデングローブ賞に多数ノミネートされた話題作。
日本でも人気が高く、チョコレート店の女主人・ビアンヌを演じたジュリエット・ビノシュと、ジプシーの青年役のジョニー・デップの美しさは、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
主人公のビアンヌは、南米由来のチョコレートを広めるためにヨーロッパを旅しています。
父親がいない娘を連れていることなどから、敬虔(けいけん)なカトリック教徒ばかりの村人から最初は受け入れてもらえません。
しかし、今まで見たことのない美しいチョコレートが並ぶお店が気になって仕方ない村人たち…。
ビアンヌは店に来た村人の悩みを解決するぴったりのチョコレートを選びます。
チョコレートを食べた人たちの幸せな顔は見ているこちらまで幸せな気持ちにしてくれます。
特に印象に残るのが、娘や孫との関係に悩むアルマンド(名優ジュディ・ディンチが演じています)に差し出すホットチョコレート。
この、体も心も温まりそうなスパイス入りのホットチョコレートについては、後半に少しほろ苦いエピソードがあるのですが……、続きはぜひ映画で確認してください。
この記事の著者
富田夏子(とみたなつこ)フリーランスライター
女性誌やweb媒体を中心に、エンタメや生活情報の記事を執筆しているライター。
2007年~女性向け週刊誌の契約記者。ハリウッド俳優やオリンピックメダリストへのインタビュー、日本の名医シリーズなど幅広い記事を執筆。2011年~主婦向け月刊誌記者。映画、DVD、音楽、本のレビューなどエンタメページを長年連載。イケメン若手俳優の取材記事や、モデルのインタビュー連載も担当した。現在、娘2人の子育てをしながら、雑誌やweb、書籍のライティング・編集などを手がけている。