【special interview】「ては〜とホールディングス」後藤社長に聞きました」 創業から変わらない「おもいやりの心」
本誌『めりぃさん』の発行人、後藤康太さんにグループ事業の中心である「株式会社メディケアー」について、そして『めりぃさん』創刊への思いなどを伺いました。
後藤康太 (ごとうこうた)
ては〜とホールディングス株式会社代表取締役。1973年、神奈川県藤沢市出身。催事事業の経営を経て、ベッドメーカーに入社。約6年で当初の25名規模から220名規模へ拡大する過程で、営業、マネジャーを務める。30歳のとき、実家が経営する株式会社メディケアーに入社。37歳で代表取締役に就任。以来、M&Aによる規模拡大、事業所の新規開設を進め、現在19ヶ所の事業所、また東京、千葉にもグループ会社を展開。
ご利用者様からいただく「ありがとう」の言葉ほど、嬉しいものはありません。そして、それが本当の意味での仕事のやりがいです
本誌『めりぃさん』の発行人、後藤さんは、「ては〜とホールディングス」の中核企業「株式会社メディケアー」の社長でもある。「メディケアー」は福祉用具のレンタル・販売、バリアフリーのための住宅リフォームなど、居宅介護支援を展開する企業だ。
福祉用具のレンタル・販売、バリアフリーのための住宅リフォーム、居宅介護支援を展開する「メディケアセンター」
「メディケアーを必要としてくださるのは、病気や事故など、原因はさまざまですが、以前は当たり前のようにできていたことができなくなり、そのできなくなったことをもう一度、できるようになりたい、と願う方々です。そのために必要なのが介護ベッドや車いすや杖やバリアフリーの住宅など。ただ、たとえば車いすが必要だとしても、身体の状態はもちろん、男性・女性、身長、体重、居住環境、生活習慣などは、ひとりひとり異なるので、どの福祉用具が適しているかは違ってきます」
今は、さまざまな商品がカタログやネットなどで簡単に選べる時代。だが、それで個人のニーズにぴたりとあったものを選べるか、というとそうではない。
「メディケアーでは、どういう福祉用具をどのように使えば、もとの生活や、もとの生活に近い状態に戻れるのか、ご利用者様のご要望をお聞きした上で、そのご要望を実現するためにさまざまな用具から最善のものを選択して提案します」
心のこもったきめ細かい対応は口コミでも広がり、多くのメディケアー・ファンを獲得。
「社員それぞれがご利用者様おひとりおひとりと向き合い、提案をしていく姿勢が支持されているのだと思います。ご利用者様から『ありがとう』と言っていただけると、必要とされる仕事をしているのだと嬉しくなりますし、やりがいを感じますね」
介護保険制度が始まる20年前に両親が創業した会社を神奈川県でシェアナンバー1に
現在は神奈川県内でのシェア、ナンバー1を獲得するメディケアーだが。
「両親が1980年に創業した医療機器販売の会社が原点です。両親とパートさん1人の小さな会社でした」と後藤さん。
創業の数年後には介護用品の販売や福祉用品のレンタルも手がけるようになり、2000年の介護保険制度のスタートを機に、急成長。家業とは距離をおき別企業で働いていた後藤さんだったが、2002年、30歳のときにメディケアーに入社する。
「在宅介護の増加により、介護ベッドや車いすなどのレンタルの需要がどんどん増えていました。メディケアーも人手不足だったんです」と笑うが、7年後には社長に就任。37歳の若い社長は社員教育にも力を入れ、地域密着型の地道な努力も奏功し、メディケアーはさらに躍進した。
介護・福祉事業の収益の一部を未来を担う子どもたちに還元したい
事業が成長する過程で、後藤さんは「高齢者をサポートする事業の収益を、未来の子どもたちのために還元したい」と、さまざまな活動を行っている。その一つが、障がいを持つ子どもを対象とした放課後デイサービスだ。会社の名前は『こどもをキラキラさせたい株式会社』。後藤さんが名づけた。
「ひとりひとりの子どもが自分にむいていることを見つけて、キラキラと輝いてほしいんです。子どもたちが成長し、自立までサポートできる仕組みを作りたいと思っています」
そのほかにも、お菓子を購入することで子ども食堂を支援する仕組みの「スマイル スナック」(32ページ参照)や、「サーフィンを通じて障がいを持つ子どもたちに笑顔と未来を」を主旨とする認定NPO法人「Ocean’s Love」のサポートなども行っている。
この春、オープンした弁当店「ては〜と弁当」では、イートインスペースを活用し、子ども食堂の運営も開始する。
「弁当店は両親が創業した、まさにその場所にオープンしました。小さなお店ですが子ども食堂を通じて地域の方々をつなぐ場にもなれば嬉しいです」
また、シニアの方をサポートする取り組みとして7年前より開始した「予防体操教室」の開催支援は、今では参加者数が月5000人の規模に。
「予防体操教室は本当に人気があります。『めりぃさん』には、いつまでも健康を維持するための健康体操の連載がありますので、ぜひ活用していただきたいですね」
いつも40年後、50年後を見据えての企業、組織の在り方を考えている、という後藤さん。子ども支援の話になると笑顔が輝く。
人生100歳時代。健康長寿を目指して、シニアの心身ともに豊かな暮らしを応援
「これまで16年間にわたり、当社からの情報発信誌として「ては〜とタイムズ」をお届けしてきましたが、この度、『めりぃさん』として生まれ変わり、皆様の健康や生活に役立つ情報をお届けしたいと思います。
めりぃの語源「Merry」は、陽気、笑い楽しむ、という意味があり、エンターテイメント情報などもあわせてお楽しみいただければと思います。」
「ては〜とホールディングス」の「ては〜と」は「手+ハート」。
「ご利用者様へ寄り添い、おもいやりの心をお届けする。そして、ご利用者様からもあたたかい気持ちをいただく。双方向の「ては〜と」だといいですね。創業以来大切にしているモットーは『おもいやりの心 お手伝いします』です。企業として変化には柔軟に対応していきますが、この部分は変わらず大切にしていきます」
障がいを持つ子どもを対象とした放課後デイサービス「NEST」は、現在、神奈川県に2か所。指導者は現役プロアスリートや元選手など、とユニーク。
神奈川県藤沢市の「メディケアー」創業の地にこの春、オープンした「ては〜と弁当」。イートインスペースを活用し、5月から子ども食堂の運用も開始する。
「自分の人生の主役は自分。社員ひとりひとりが主役になれる力を持てるように、若手から経営幹部まで、社員教育にも力を入れています」社員とのコミュニケーションも大切にしている。