食欲の秋におすすめの映画3選【コメディ編】
食欲の秋到来! ということで、観るとおなかがすく「美味しい」映画をピックアップ。
コメディ編では、フードトラックの絶品キューバサンドイッチ、イタリアの家庭料理、南極の豊かな食卓に注目です。
【1】熱々のキューバサンドイッチにかぶりつきたい! 『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』
画像はAmazonより
作品情報
『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』(2015年)
監督・脚本:ジョン・ファヴロー
出演:ジョン・ファヴロー、ソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニーJr.
ストーリー
ロサンゼルスにある一流レストランの総料理長、カール・キャスパーは、メニューにあれこれと口出しするオーナーと対立し、突然店を辞めてしまう。
次の仕事を探さなければならないとき、元妻の故郷マイアミに行った彼は、絶品のキューバサンドイッチと出合う。
その美味しさで人々に喜んでもらうために、移動販売を始めることに。譲り受けたボロボロのフードトラックを改装し、マイアミ~ニュー・オリンズ~オースティン~ロサンゼルスと、究極のキューバサンドイッチをつくって売る旅がスタートした。
(公式サイト参照)
おすすめポイント
何といっても、元・一流レストランシェフの主人公がつくるキューバサンドイッチが本当に美味しそう。熱々の鉄板で、バターを塗ったバゲットとローストポーク、チーズを焼いて挟んだホットサンドイッチは、ちょっとぬるくてマイルドな南国のビールをお供に、今すぐかぶりつきたい衝動にかられます。脚本を書き、監督をしながら主演俳優までこなしたジョン・ファヴローは、アメリカで料理番組のホストを務めるほど料理好きとして知られ、その包丁さばきは本物のシェフのよう。
映画はフードトラックでアメリカ各地を巡るロード・ムービーにもなっていて、ニュー・オリンズでは名物のベニエ(粉砂糖たっぷりの四角いドーナツ)やテキサス風バーベキューを食べた主人公が、早速フードトラックのメニューにアレンジして取り入れます。
そして物語では、主人公と息子がフードトラックで一緒に旅をするうちに深まる、親子の絆も描かれます。レストランのシェフだった頃は仕事ばかりであまり息子の相手をしてこなかった主人公。二人の距離が縮まっていく様子を見守りながら、温かい気持ちになれる作品です。
【2】日本や韓国でもリメイクされたイタリア発ブラックコメディ『おとなの事情』
画像はAmazonより
作品情報
『おとなの事情』(2017年)
監督・脚本:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アンナ・フォッリエッタ、マルコ・ジャリーニ、エドアルド・レオ、ヴァレリオ・マスタンドレア、カシア・スムトゥニアク、アルバ・ロルヴァケル
ストーリー
ある夜、幼なじみたちがそのパートナーを連れて、食事会の席に集まった。
新婚カップルのコジモとビアンカ、倦怠期の夫婦レレとカルロッタ、思春期の娘との確執を抱えているエヴァとそんな妻と娘の間に板挟みに合って悩むロッコ、そして最近“彼女ができた”が、ひとりでやってきたバツイチのペッペ。秘密なんてない、と豪語する気心の知れた7人は、ちょっとしたことがきっかけであるケータイを使った“信頼度確認”ゲームを始める。
ルールは、それぞれのスマートフォンをテーブルの上に置き、メールが届いたら、みんなの前で開いて読み上げること。電話が鳴ったら、スピーカーフォンに切り替えて、みんなの前で話すこと。やがて、電話が鳴り、メールが届き始める。ひとつコールが鳴る度に、暴かれていくそれぞれの秘密。妻に内緒で心理カウンセリングに通っていること、豊胸手術を受ける予定があること、浮気、そして性癖まで。
たわいない遊びが、長年培ってきた友情と絆に波紋を投げかける……。スマホに隠された“極秘の事実”が明らかになったとき、夫婦、親友の信頼関係はどうなってしまうのか?
(パンフレット参照)
おすすめポイント
イタリアの実力派俳優が集合し、世界中の映画祭で数々の賞を受賞したブラックコメディ。
テンポの良い会話劇が繰り広げられるうちに、夫婦間、親子間、友達間の関係が変化していく様子は見事!
「スマホの中身なんて知らない方がいいに決まっているのに!」と思いながら、よく練られた脚本にくすっと笑ったり、ハラハラドキドキさせられます。
ほぼ食事会のシーンだけなので、イタリア家庭での大人の食事会の様子がよくわかるのも興味深いポイント。
ケッパーとオリーブでつくったソース、花ズッキーニのオーブン焼き、お手製のニョッキなど、どれも美味しそうで、間違いなくワインが飲みたくなる映画です。
差し入れにお手製ティラミスをもらったホスト側の家族が、使っているチーズの種類を「リコッタ? マスカルポーネ?」とたずねるあたり、イタリア人の食へのこだわりを感じます。料理も気になるし、スマホの内容や展開も気になるし……あっという間の96分間です。
【3】『南極料理人』
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作品情報
『南極料理人』(2009年)
監督・脚本:沖田修一
原作:西村淳
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治
ストーリー
西村(堺雅人)は、ドームふじ基地へ南極観測隊の料理人としてやってきた。限られた生活の中で、食事は別格の楽しみ。手間ひまかけてつくった料理を食べて、みんなの顔がほころぶのを見る瞬間はたまらない。しかし、日本には妻と8歳の娘と生まれたばかりの息子が待っている。これから約1年半、14,000km彼方の家族を思う日々がはじまる…。
(プレス資料より引用)
おすすめポイント
実際に南極観測隊員として料理を担当していた西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を映画化。
男だらけの観測隊員が南極ではどんな仕事をしていて、どんなものを食べて、休憩時間や夜はどんな風に過ごしているのか。知らないことばかりで新鮮な世界に興味津々!
映画の中に出てくる料理は、『かもめ食堂』など数々の映画フードスタイリングを手掛ける飯島奈美さんによるもの。お刺身や天ぷら、ブリの照り焼きなど本格的な和食が並ぶ晩ごはんに始まり、味噌汁や納豆、玉子焼きの朝ごはん、具沢山の豚汁にいくらやサケの入った大きなおにぎりの昼ごはんまで。食品在庫を管理しながら、栄養バランスを考えた食事が食卓に並びます。
またある日はローストビーフのようなステーキ肉や、フランス料理のフルコース、伊勢海老は立派なフライに! と、意外に豪華なメニューも登場し、思わず喉が鳴ります。でもやっぱりご馳走より、夜中に食べるラーメンが一番美味しそうに映るんですよね。
インスタントラーメンの在庫が切れて気落ちする隊員達のために、主人公は限られた食材の中から工夫して麺をこね、どうにかラーメンが完成。シンプルな温かいラーメンを食べる顔が全員幸せそうで、鑑賞しながら思わず顔がほころびます。
富田夏子(とみたなつこ)フリーランスライター
女性誌やweb媒体を中心に、エンタメや生活情報の記事を執筆しているライター。
2007年~女性向け週刊誌の契約記者。ハリウッド俳優やオリンピックメダリストへのインタビュー、日本の名医シリーズなど幅広い記事を執筆。2011年~主婦向け月刊誌記者。映画、DVD、音楽、本のレビューなどエンタメページを長年連載。イケメン若手俳優の取材記事や、モデルのインタビュー連載も担当した。現在、娘2人の子育てをしながら、雑誌やweb、書籍のライティング・編集などを手がけている。