小説も映画もどっちもおもしろい! 注目最新映画の原作小説紹介3選
皆さんは、映画に原作小説がある場合、映画と小説どちらを先に見ます(読みます)か?
映画化されるような人気小説であればすでに読んでいる、というパターンもありますが、映画化で話題になって小説を知るきっかけになることもありますよね。
この記事では、長年女性誌で映画や書籍の紹介などエンタメページを担当してきたライターが、「注目最新映画の原作小説3選」をご紹介。小説も映画も、どちらもおもしろい作品を厳選しました。
『明日の食卓』椰月美智子(角川文庫)
あらすじ
静岡在住、専業主婦の石橋あすみ。神奈川在住、フリーライターの石橋留美子。大阪在住、シングルマザーの石橋加奈。小学3年生の「石橋ユウ」を育てるそれぞれの母親たちは、子育てしながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、ささいなことをきっかけに、その生活は崩れ始める。そんなある日、「イシバシユウ」虐待死のニュースが報道される。「ユウ」の命を奪ったのは誰なのか? そして、三つの石橋家がたどり着く運命とは。
(文庫本裏表紙を参照)
おすすめポイント
映画では…?
映画化したのは、社会派ミステリー作品の映画化に定評のある瀬々敬久監督。フリーライターの留美子を菅野美穂、シングルマザーのカナを高畑充希、専業主婦のあすみを尾野真千子が演じ、家族関係の変化に戸惑いながらも懸命に生きる母親たちを圧倒的な演技力でリアルに見せています。小説では小学校3年生だったユウは、映画では5年生に。TVドラマでも話題となった柴崎楓雅ら子役キャストの熱演にも注目です。公開中。
映画『明日の食卓』公式サイト https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子(幻冬舎文庫)
あらすじ
太っていて不細工で、底抜けに肉子ちゃん。肉子ちゃんは男にだまされ、娘のキクりんを連れて北の町にある漁港にたどり着き、焼肉屋で働いている。周囲の大人たちやクラスメイトをよく観察しているキクりんは、最近お母さんのことが少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描く人生賛歌。
(文庫本裏表紙を参照)
おすすめポイント
映画では…?
明石家さんまが企画・プロデュースを手掛けて劇場アニメに。『海獣の子供』(2019年)で数々のアニメ映画賞を受賞した渡辺歩が監督を務め、原作小説の世界観をファンタジックなハートフルコメディとして映像化。大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹はじめ、マツコ・デラックス、吉岡里帆ら豪華声優陣も話題になっています。6月11日全国公開。
劇場版アニメ『漁港の肉子ちゃん』公式サイト https://29kochanmovie.com/
『もののあはれ』ケン・リュウ(ハヤカワ文庫)
あらすじ
『円弧(アーク)』
人類で初めて不老化の処置を受けたリーナ。100歳を過ぎた彼女は、自宅で記者たちの取材を受けている。リーナはなぜ不老不死を受け入れたのか? 始まりは、彼女が16歳の頃にさかのぼる。(文庫本裏表紙を参照)
おすすめポイント
映画では…?
リーナ(映画ではリナ)役は芳根京子。リナに大きな影響を与えるエマを寺島しのぶ、不老化の技術開発者ジョン(映画では天音)役を岡田将生が演じました。監督は『蜜蜂と遠雷』(2019年)の石川慶が務め、映画オリジナルのキャストやシーンも取り入れました。文字だけでは想像しにくかった場面が光の陰影、静と動のメリハリを使ってうまく表現され、見終わった後に一言では言い表せない、新しい日本映画をつくり上げています。6月25日全国公開。
映画『Arc アーク』公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/arc-movie/
この記事の著者
富田夏子(とみたなつこ)
女性誌やweb媒体を中心に、エンタメや生活情報の記事を執筆しているライター。
2007年~女性向け週刊誌の契約記者。ハリウッド俳優やオリンピックメダリストへのインタビュー、日本の名医シリーズなど幅広い記事を執筆。2011年~主婦向け月刊誌記者。映画、DVD、音楽、本のレビューなどエンタメページを長年連載。イケメン若手俳優の取材記事や、モデルのインタビュー連載も担当した。現在、娘2人の子育てをしながら、雑誌やweb、書籍のライティング・編集などを手がけている。