いちど置く場所を決めたら 散らからない片づけ術【キッチン編】
イラスト/後藤知江
整理のポイントは「火」「水」「食材」にわけること
「実家のキッチンの片づけをしていた時のことですが、モノが多く、置く場所に規則性がないため、どこに何を置くか決めるところからはじめました」と言うのは整理収納アドバイザーの吉川永里子さん。
調理器具や食器、食材などが狭い場所に集まるキッチンを整理するには『火』『水』『食材』のコーナーにわけることがポイントだと言います。「まず『火』とはコンロ近くで使うオイル、フライパンなど、『水』とはシンクまわりの洗剤、ザル、ボウルなど、『食材』とは麺類、レトルト食品などをさします」
これらを3つのコーナーにわけ、近くに収納するだけでもキッチンがすっきり。さらに調理や片づける時間も短縮できるようになり、作業効率もあがるのだとか。吉川さんのキッチン収納術を見ていきましょう。
キッチン整理の基本のキ
食器は家族+ゲスト分だけにする
家族の人数+ゲスト2〜3人分の食器の量がベスト。食器はたくさんあっても奥のものが取り出しにくくなるだけ。1年以上使っていない食器は食器棚からだして、次に使う機会があるかどうかを吟味、使う予定がない場合はリサイクルなどに出しましょう。
調味料はまとめて立てて収納する
10~11㎝幅のボックスの底にキッチンペーパーを敷き、オイル、酢、みりんなどの調味料を収納します。コンロ下に入れて、引き出して使うようにすると便利。調味料のふたに使い始めた日にちを入れると賞味期限もすぐにわかります。
必要なものしか置かない
シンク、コンロまわりには極力ものを置かないようにしましょう。シンクにはスポンジと洗剤のみ、コンロ脇の壁にはおたま、フライ返しを5つほど掛け、塩、こしょう、醤油、酢などよく使う調味料をトレーにのせて置くとすっきりして見えます。
重ねられる食器を選ぶ
グラスやコップ、マグカップは重ねられるものを購入しましょう。重ねるのは2個までとし、同じ種類のものを手前から奥に縦1列に並べます。ワイングラスは大きさにあったプラスチックケースに入れると、ケースごとに引き出して使えるので、取り出しやすいです。
高いところの収納は取っ手付きのものにする
吊り戸棚は高くて手が届きにくい場所なので、取っ手付きのかごを使いましょう。かごには、麺類やレトルト食品、乾物など種類別にいれると、取り出すのに便利。なるべく軽いものを収納すると、取り出しやすくさらに使いやすくなります。
吉川流使いやすい理想のキッチン
吉川さんが考える理想のキッチンをイラストで再現。無理せず、できるところから片づけて、収納方法をまねしてみましょう。使い勝手のいいキッチンに変わること間違いなし!
1:湿気を嫌う食材はワークトップの上段に置く
ワークトップの上段は比較的乾燥しているので、麺類、だし、レトルト食品などをストック。取っ手付きのかごに収納し、取っ手に何をいれているかメモしておくと使いやすくなります。
2:毎日使うカトラリー類は取り出しやすい場所へ
使用頻度の高いカトラリー類は引き出しへ。箸、スプーン、フォークなど種類別、木製、ステンレス製など素材別に分類し、取っ手を手前に縦方向に収納すると統一感がでます。
3:使うタイミングが同じものはまとめる
洗剤とスポンジ、まな板と包丁、フライパンとオイルなど、セットで置いておくと作業がスムーズになります。ちょっとしたことですが、この小さな工夫でムダな動きがなくなります。
4:シンク下は水回りで使うものをいれる
ザル、ボウル、包丁、まな板、バットなど水まわりで使うものを入れましょう。シンク下は湿気がこもるため、乾物、粉類などの食材をおくのは避けましょう。
5:重い調理器具は低い位置に置く
土鍋、ホットプレート、大皿など重いものは低い位置に収納しましょう。土鍋やホットプレートは場所をとるので、フタを裏返して取っ手側を鍋の内側にいれるとかさばりません。
6:フライパンは立てて吊るして収納する
収納に場所をとるフライパンはファイルボックスに立ててしまうと出し入れがスムーズになります。卵焼き用のフライパンなどはコンロ下の扉の裏に引っかけて収納するのも便利です。
7:コンロ下はラックで仕切る
コンロ下の収納はデッドスペースが生まれやすい場所。コの字ラックを使うことで空間をムダなく使え収納量がアップします。大きな鍋を下に置くのがおすすめです。
8:大きさ順に並べると統一感が生まれる
コンロでよく使うおたまやフライ返しはレンジフードにS字フックで引っかけるか、粘着フックで引っかけるのが◎。小さいものから大きいものへと並べることで統一感がでます。