めりぃさんの本棚 第1回
在宅医療の第一人者が病気と老いに戸惑う日々をユーモラスに描く
人の感情に直接向き合う職場で怒りに振り回されなくなるためには?
NHK Eテレの人気5分間番組「365日の献立日記」が待望の書籍になりました。名女優の沢村貞子さんが26年間つけていた『わたしの献立日記』はベストセラーになりましたが、献立名だけのシンプルなもの。今回、レシピがあったらいいなという多くの声にこたえ、映画「かもめ食堂」や「深夜食堂」、連続テレビ小説「ごちそうさん」でもおなじみの人気フードスタイリスト飯島奈美さんが番組内でレシピを再現。おいしそうな春夏秋冬96品が紹介されています。食べることを大切にした沢村さんの生き方まで感じとれるような1冊です。
沢村貞子の献立 料理・飯島奈美 飯島奈美 著 リトル・モア 本体2000円+税
日本の在宅医療の先駆者として地域医療に尽くし、新聞やラジオでもおなじみの早川先生が、胸椎の圧迫骨折で、一夜にして医者から患者へ。在宅医療を支援してきたのに、在宅の大変さを嘆き、夜が長いことを恐れ、入浴介助に恥じらう。世話をされることの辛さと悲しみにも気づく。「京都新聞」の連載をまとめたもので、病との向き合い方から介護のされ方、老いや認知症、おむつの受け入れ方まで、くすりと笑って、元気になれる本。後半は娘が見た、弱っていく父親の姿がありのままに描かれています。
早川一光の「こんなはずじゃなかった」 早川さくら 著 ミネルヴァ書房 本体1800円+税
利用者からの暴力やセクハラ、頻繁なコール、ていねいな対応なのにクレームを受ける。上司の身勝手な要求、やたらと口出ししてくる先輩、手抜きばかりする部下、上から目線の看護師、気苦労の多い外出レクなど、介護の現場で頑張る方には怒りが湧き上がる状況ばかり。この本はアメリカの心理トレーニングによって、必要なときは上手に怒り、必要のないときには怒らずにすむ方法をマンガでわかりやすく教えてくれます。自分の怒りの状態も知ることができます。
マンガでわかる介護職のためのアンガーマネジメント 安藤俊介 著 誠文堂新光社 本体1800円+税