いつの間にか歩幅が狭くなっていませんか? | 久野先生の今日から実践!大人のカラダ塾 Vol.1
足の筋力低下は50代ですでに始まっています。自分はまだ大丈夫、と思っている人も要注意。骨密度も下がってくる年代なので、転倒による骨折も他人事ではありません。足の筋力低下のサインになるのが歩幅の縮小。若い頃に比べ、いつの間にか歩幅が狭くなっていませんか。歩幅が狭いということは足が前に出にくいということ。これがつまずき、転倒の原因になるのです。 では歩幅を広げ、つまずきにくくするにはどうするか。やみくもな筋トレはおすすめできません。まず大事なのは視線が高くなるよい姿勢を作ること。次に股関節の柔軟性を保つこと。その上で筋トレを行いましょう。身体のメカニズムを知り、効率よく運動してくださいね。
久野 秀隆
ひさの・ひでたか●神奈川県を中心に70市区町村の体操指導や行政機関のアドバイザーなどを担当。延べ8800講座、約17万人の指導をしている。J:COM『久野先生の健康体操「全力で、元気にコミット!」』、NHK「あさイチ」などに出演。
日本整形外科学会が運動機能判断基準のひとつに掲げているテストです。歩幅を調べることで、下肢の筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた総合的な歩行能力を知ることができます。
①スタートラインを決め、両足のつま先を合わせる。
②できる限り大股で2歩歩き、両足を揃える。
③2歩分の歩幅(最初に立ったラインから、着地点のつま先まで)を測る。
※バランスを崩した場合はやり直します。2回行い、良いほうの記録を採用しましょう。
※空欄に測定値を書き込んでみましょう。
1.3未満は、筋力やバランス能力が落ちてきている状態です。運動を習慣づけ、タンパク質とカルシウムを含むバランスの良い食事を心がけましょう。1.1未満は、自立した生活ができなくなるリスクが高まっています。0.9未満は、何らかの運動器疾患の治療が必要になっている可能性が。整形外科専門医による診療を受けましょう。
腰を少し反るようにして背中を伸ばし、体を前に傾けながら両腕を後ろへ伸ばす。骨盤が前に倒れるのを意識して。このとき、親指は外側へ向け、肩甲骨をぐっと寄せる。あごを上げ、目線も上へ。
椅子に腰かけ、手を遠く前に伸ばしながら、おへそを覗き込むように腰と背中を丸くしていく。骨盤が後ろに倒れるのを意識して。
繰り返し行うことで良い姿勢が身につき、足が前に出やすくなります。腰痛防止のため、腰を反りすぎないように注意しましょう。
① 足を前後に開いて、 両足のつま先を前に向ける。
②上半身はまっすぐに保ったままで腰を落としていく。3秒かけて沈み、また3秒かけて元の位置に戻る。 10回行ったら、左右の足を入れかえて、さらに10回行う。
初級:歩幅を狭くし、浅めに腰を落とす。 上級:歩幅を広くし、前後のひざがそれぞれ90度になるまで腰を落とす。
股関節を動かしながら筋トレにもなり、さらにバランスの訓練にもなる“一石三鳥”の運動です。初級、上級と、自分に合った強度で行いましょう。