デジタル遺産・遺品って何?生前整理をしてトラブル回避
デジタル遺産どう残す? IT時代の新たなカタチ
2020年時点で、日本の携帯電話とスマホの世帯保有率は96.8%※1。人が亡くなるとき、スマホなどのデジタル機器を持っていることはもはや珍しいことではなくなりました。そこで今回注目するのが「デジタル遺産」や「デジタル遺品」。
「デジタル遺産(遺品)」とは、法的な定義はないものの、一般的にはパソコンやスマホなどのデジタル機器に保存された写真などのデータや、ネット銀行などインターネットサービスのアカウントなどを指します。金銭的に高価なものを「遺産」、金銭以外に価値があるとされるものを「遺品」と表現する傾向にあります。
デジタル遺産(遺品)は大きく2つ※2に分けられ、1つがパソコン上に保存された写真やアプリなどインターネットにつながなくても把握できるもの、もう1つはネット銀行やSNSのアカウントなどのインターネットサービスなどに関わるものです。どちらも相続できるものとできないものがあるため、それぞれ確認が必要になります。
いざというときに、残された人がスマホやパソコンの中身を確認したいと思っても暗証番号がわからず大変といったことにならないように、普段から暗証番号を預金通帳など重要な書類と一緒に金庫などに保管して家族に伝えておいたり、エンディングノートに指示を記載しておくのもいいかもしれません。また亡くなったときに、あらかじめ指定した相手に指定したデータを渡せるなどのデジタル終活※3の方法もグーグルやアップルなど大手IT企業が提供する時代に。いざというときのために、これらの機能を活用するのも手です。
※1:総務省令和2年通信利用動向調査の結果より ※2:両方の性質を併せもつデジタル遺産(遺品)も存在する ※3:生前にデジタル遺産(遺品)に対する死後の取り扱いについて考えること
「デジタル遺産(遺品)」まとめ
〈1〉スマホなどのデジタル機器に保存されたデータやインターネットサービスのアカウントなどを指す
〈2〉スマホなどの暗証番号やログイン情報を金庫などに保管して家族に伝えておいたり、エンディングノートに対応方法を記載しておくのがおすすめ
〈3〉亡くなったときに指定した相手に指定したデータを送れるといったデジタル終活の方法を大手IT企業が提供している
もっと詳しく知りたい人は
身内が亡くなったときのスマホ・パソコン・SNS・ネット証券・暗号資産の対応やデジタル終活の方法がわかる本。終活弁護士・伊勢田篤史さんとジャーナリスト古田雄介さんが家族が亡くなった際のデジタル遺産(遺品)の処理のしかたをわかりやすく解説しています。
『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(日本加除出版 ¥1,980)
●この記事は『めりぃさん』2023年12月10日発行号に掲載された内容を再編集しています