連載1 中山先生が教えるこれからの人生を快適に過ごす為の整理収納の教科書【キッチン整理編】
今回から整理収納アドバイザーの中山真由美先生に気になる場所の整理収納術を教えていただきます。
株式会社エアトランク 整理収納事業部 執行役員 中山真由美先生
生活が変わる時期こそキッチンに手をつけることをおすすめします
50代から60代には定年退職などにより、生活のパターンが大きく変わるタイミング。家で過ごす時間が増えたり、生活のリズムの変化に合わせて、食生活や食事の支度にも変化が現れたりします。
このタイミングで、これからの人生をスタートさせる区切りとしてキッチンのお片づけを考えるご家庭が年々増えています。
今回は、細かいモノが多くて片づけが大変そうに見えるキッチンの整理収納ポイントをお伝えいたします。日々の家事が楽になることで、これからの時間を、より有効に使えるようにしましょう。
まず、お片づけを成功させる基本手順は3つあります。1つ目は整理、2つ目は収納、3つ目が整頓です。 基本に従って、この3つの手順通りお片づけを行っていきます。片づけを始める前にそれぞれの言葉の意味をきちんと理解して取り組むことで、効果的に整理収納を進めることができます。
整理とは、不要なモノを手放す。収納とは、使うモノを使いやすいように収める。
整頓とは散らかっているモノを整えること。この意味を理解せずに進めると、使いやすいキッチンを作ることはできません。
実は私・・・お片づけ苦手歴30年でした。
当時、整理と整頓が同じ意味だと勘違いしていて、片づけをするときは3の整頓、つまり散らかっているモノを整えるところから始めていました。
散らかっているところを整えてから、使わないモノは使わない引き出しや部屋に移動し、どうしても入らなければ、ホームセンターなどに行き収納グッズを買ってきていました。
つまり、新たに収納を増やし、そこに使わないモノ、もしくはいつか使うモノを突っ込むというやり方でした。スペースが100%以上のモノであふれる状態を見て、初めて「何かを捨てよう」と決意するのが私の片づけ方だったわけです。スペースは常に100%埋まっていますので、当然、有効活用できるはずもありませんでした。
最初にすべきことは食品の整理です
片づけを始める時は、1の整理、つまり、不要なモノを手放すことから始めなければなりません。整頓からではなく、収納からでもなく、整理からスタートです。
ただ、いきなり大きなスペースに手をつけてしまうと余計散らかってしまうので、最初は小さなエリアから始めてください。
私がおすすめしている整理の訓練エリアはキッチンの食品です。
食品は、賞味期限が記載されているので、他の調理器具や食器などと比べて比較的手放しやすいです。お片づけ初心者の方でも簡単に整理することができるので是非お試しください。
全て出して並べてみると「意外にモノが多いですね」と驚かれる方がたくさんいらっしゃいます。この作業だけでも、想像以上に疲れます。
できるだけ小さなエリアと時間を決めて取り掛かってください。おすすめの時間は約30分から1時間程度です。これ以上行うと挫折しやすくなりますので気をつけましょう。
次に、手放す基準(食べる、食べない、迷う)に沿って分けます。
一番簡単な基準は、賞味期限です。賞味期限が近いものから手放していくという方法で、あふれる食品も簡単に仕分けることができます。賞味期限が切れる前にきちんと消費できるエリアに変えていく事が、今後のもったいないを減らしていくことにつながるのです。
また、モノを手放す練習をしておけば、少しずつ片づけ体質に変化し、今後大きなエリアを難なく片づけられるようになってきます。毎日使うスペースですから、毎日少しずつ行うのもいいですね。
各エリアの整理が終わったら、キッチン細部の収納に取り掛かりましょう。