体臭は食事から?食べ物から意識してみよう
「自分ってもしかして臭い?」
年齢を重ねると加齢臭など自分のニオイが気になりますよね。ニオイは自分では気づきにくく、また人にも注意しづらいものです。その分、周りに迷惑をかけていないかなど心配になります。とはいえ「年齢を重ねるとニオイが出るのは仕方ない」と諦めている方も多くいるのではないでしょうか。実は体臭の発生には食生活が関わっており、食生活を見直すことでニオイを抑えられるかもしれません。今回は体臭や体臭にまつわる食生活について加齢臭のメカニズムと併せて紹介します。
ニオイのもととなるものは、体から分泌される汗と皮脂、そして皮膚上に存在する常在菌です。汗は皮膚にある「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」から分泌され、それぞれ分泌される汗を「エクリン汗」「アポクリン汗」と呼びます。皮脂も「皮脂腺から出る皮脂」と「角質層にある脂質」の2種類あります。これらの汗や皮脂は分泌された時は無臭ですが、時間とともに汗と皮脂が混ざったり、皮膚常在菌によって代謝・分解されたり、空気により酸化されることでニオイを発生します。
「体臭」はワキや首、頭皮、足など体の部位のニオイのことを指すのに対して、「加齢臭」は年齢によって発生するニオイの分類になります。年齢による分類には他にも「ミドル臭」があります。
体臭について
体の部位により発生するニオイは異なります。頭皮と足ではニオイが違いますよね。これは先ほど述べたニオイのもととなる2種類の汗と皮脂の組み合わせが異なるため、発生するニオイが違うといわれています。例えば、頭皮は「エクリン汗」と「皮脂腺から出る皮脂」が混ざることで油っぽいニオイと発生し、足では「エクリン汗」と「角質層にある脂質」が混ざることで足の独特なニオイを発生させています。
加齢臭について
年齢によりニオイの違いが生じるのは、皮脂に含まれる脂肪酸の種類や量が年齢を重ねるごとに変化するためです。
年齢を重ねると皮脂中の「パルミトレイン酸」と皮脂が酸化されてできる「過酸化脂質」が増加します。これらが結びつき、皮膚常在菌により代謝・分解されることによってできる物質のひとつ「2‐ノネナール」が加齢臭の原因です。加齢臭は50代以降から多くみられ、枯れ草や古本のようなニオイと例えられる特有のニオイです。
ちなみにミドル臭は、30代半ば~40代に多く見られる特有のニオイで、汗に含まれる乳酸が皮膚常在菌により代謝・分解されてできる「ジアセチル」と呼ばれる物質と皮脂臭が混ざることで発生します。
体臭は「体質だから仕方ない」「年を取るとつきものだ」と感じている方もいると思いますが、食生活が体臭と関わっていることをご存知でしょうか。汗や皮脂は体からの排泄物ですであり、そのもととなるものは日々摂取している食事や飲み物です。では、どのような食べ物を摂取するのが望ましいか見ていきましょう。
体臭を発生しにくくするためには「アルカリ性食品」を摂取するようにしましょう。代表的な食べ物は梅干しです。他にもわかめなどの海藻類やほうれん草などの緑黄色野菜があります。体内が酸性に傾くとニオイの原因となる乳酸やケトン体が増えてしまうためアルカリ性食品を摂取し、予防すると良いでしょう。反対に「酸性食品」には牛肉や卵、マグロなどの赤身の魚などがあります。偏ることのないように食事をしましょう。
加齢臭の原因となる「過酸化脂質」などは酸化されることで生じます。そのため食事では「抗酸化食品」を摂取しましょう。抗酸化作用が期待されるものはビタミンCやビタミンE を多く含む食べ物です。ほうれん草などの緑黄色野菜やオレンジやキウイなどの果物、玄米や胚芽入りのパンなどがおすすめです。
加齢臭は体の皮脂の成分の変化や過酸化脂質が原因であり、これらは年齢とともに増加するため仕方ない部分もあります。しかし、食生活を改善することでニオイを抑えたり予防することは可能です。年齢だからと諦めずに食生活を見直してみてはいかがでしょうか。