2021.12.16 UP
おすすめ暮らしと生き方特集・連載

スペシャルインタビュー とよた真帆さん

撮影/松本 健 ヘア&メイク/佐藤 優
スタイリング/長田久美 取材・文/明滝 園

 

溢れる笑顔がいつも魅力的なとよた真帆さん。
テレビドラマなどで活躍する一方、近年はDIYで自宅の部屋を模様替えしたり、動物保護活動に力を入れたりと、プライベートもフル稼働しています。
そこで、毎日を元気に過ごすコツをお話しいただきました。

 

気持ちがネガティブになるから、心身のメンテナンスには敏感

体が資本の仕事をしてきたので、健康には人一倍気を付けていると思います。といっても、無理をして「健康的な生活」をしているわけではないんです。

しいて言えば自炊をすることですかね。私はもともと野菜が好きでよく食べますし、料理することは私のエネルギーの源。寝る前におだしをとったり、お漬物をつくったりすることも。

最近では3日かけてやっと食べきれるぐらいの野菜料理を何種類かつくり、保存容器に入れておきます。

あとは食事前にお米を炊いて、お味噌汁をつくったりすれば十分。一食ごとに一品一品つくるわけにはいかないけれど、つくり置きしておけば自炊がうんとラクになるんですよね。

献立を考えたりする手間も省けますし、買ってきた食材を使い忘れる、なんてこともなくなります(笑)。食事の用意は、自分のライフスタイルに合っているやり方が一番続くのではないでしょうか。

野菜をふんだんに使ったつくり置きのおかず。インスタグラムにも頻繁にアップするため、最近は料理に合うお皿選びが楽しみの一つです。

健康を保つうえでもう一つ気を付けているのが、体調不良を感じたら放置しないこと! そのままにしていても悪化を招くだけですし、気持ちまで暗くなっていく気がして。

「この頃ネガティブな言葉が増えたな」と自分で感じたときは、睡眠不足の日々が続いていたり、風邪ぎみだったり。そういうときは大抵、体がこわばって筋肉が硬まっていたりするもの。

そのときは筋肉を覆う筋膜をほぐす運動“筋膜リリース”を行って体の緊張をゆるめます。体が硬いときは、心も硬くなっている。それではポジティブな考えを持つことも難しくなってしまうんじゃないかな。

体と心はつながっていると思うのです。自分自身で対処法がわかっているから、体調不良になっても「またか」くらいの余裕な気持ちで構えていられるんです。

 

DIYは「何となく」ではやらない。必要なモノだけをつくる

私は子どものときから図画工作が大好きで、今はDIYを楽しんでいます。

ベースにある考えは、自分の心地よい空間をつくることです。絵画を飾るための額をつくったり、今の気分に合わせて家具の色を塗り替えたり。一つひとつは小さいことですが、やってみると気分転換になるし、部屋の雰囲気も変えられるから一石二鳥なんです。

 

DIYをするときに決めているのは、必要なモノだけをつくるということ。

「コーヒーカップを置くのにちょうどいいミニテーブルが欲しい」など、具体的な目的があって初めてつくります。「これは本当に必要? どこに置くの? 長く愛用できそう?」というように、DIYでモノをつくる理由や必要性を今一度自分に問い直す習慣を大切にしています。

存在理由があいまいなものは、結局出番がないままに終わってしまうことが多い。モノにはそれぞれ命があると思うのです。いくらよいモノをつくっても使いこなせないなら、その命を生かせていないことになりますから。

「今は活用できていないモノをどう生かすか」を考えるのもDIYの腕の見せどころ。友だちのアイデアを参考にしながら、あれこれ試作しています。

この考え方は、昭和5年生まれで、“もったいない精神”が染み付いている母の影響が大きいと思います。

私の実家では、何かが壊れると直して使う、あるいは別の用途にして新たな命を吹き込むのが当たり前でした。

「始末」という言葉は、始まってから終わりまでをさしているでしょ?母はモノをとことん使う達人でした。そんな母を見て、自然とモノとの付き合い方を学んだ気がします。

 

多くの動物を救うために私ができることをしたい

わが家には犬1匹と、猫3匹がいます。どちらも保護犬と保護猫。

幼い頃から家に犬や猫がいつもいたせいか、動物はペットというよりは家族と同じ存在。動物保護活動に興味を持ったのも、私にとってはごく自然なことでした。

 

スモールワールズTOKYO(※1)が保護犬・保護猫の支援活動を行っていて、私はここで動物保護活動の事務局長をやっています。

ドールハウスのようなミニチュアの世界では人も動物もみんな幸せに暮らしているようにつくられていますよね? それを実際の世界でも実現させたい、夢の話で終わらせたくないと思い、始めたのがこのプロジェクトのきっかけでした。

毎月、譲渡会を開いていて、一匹でも多く新しい家族に迎えられてほしいと願っています。

子どもの頃から動物に囲まれて育ち、多いときは猫を8匹飼っていたことも。猫はいつも拾い猫でした。今は、縁あって家族になった猫や犬に愛情を注ぎたいです。

もともと私は、「TOKYO ZEROキャンペーン」(※2)の動物保護活動に携わっていました。

数十名の著名人の方々が呼びかけ人となり、殺処分ゼロ実現のための勉強会を開催したり、動物に対して適切なケージの大きさを調べたりして、資料を国会に提出しました。

他の保護団体を含め、活動してきたすべての方々の努力が実り、2019年6月、ついに改正動物愛護法が成立し、8週齢規制(※3)が実現。

嚙み癖や感染症のリスクを高めてしまわないよう、幼いうちに親から引き離すことが禁止に。行動を起こせば法律を変えられることを、身をもって感じました。

 

動物保護活動というと「かわいそうな動物たち」を連想することが多くありませんか? そう言われると見るほうもつらいし、目をそむけたくなってしまうと思うのです。

今は悲惨な動物の写真などを使って活動をするのではなく、明るく活動をしたほうが、皆さんに受け入れていただけるのではないかなって。

だから、スモールワールズTOKYOというテーマパークを介した保護活動に共感しました。新しい家族を見つける場ですから、みんなにハッピーになってほしいですね。

 


※1 東京都にある屋内型ミニチュア・テーマパーク。世界の街並みや宇宙センターが再現されている。
※2 2014年4月に発足し、子犬、子猫の心身の健康を守るための動物保護運動。捨てられた猫や犬を譲渡するための施設づくりなどを訴えた。
※3 生後56日以下の子犬や子猫の販売を禁止する法律。

自分の大切なものを見つめ直した一年だった

新しい生活様式になってから、旅行ができない、友だちとも気軽に会えない、ストレス発散法の一つだったカラオケにも行けない。いろいろな制約がある日常で、私自身の生き方を問い直していました。

「私は今後、どう生きていきたいのだろう」と考えたとき、そう大層なことは望んでいないことに気が付いたのです。自分のお気に入りの絵画が飾れる家に住めること、美味しい料理が食べられること、愛する動物と家族になれること、そんなシンプルな生活を私は求めているのだと、改めて気付くことができました。

新しい生活様式になったことで、自分の価値観や大切にしているものが明確になった人は多いのではないでしょうか。

 

他の変化といえば、掃除に力を入れるようになったこと。勇気を出して靴箱の中の靴を全部出して、一足一足見ながら、「これはもう履かないかな」と、わりと大がかりな断捨離をしました。

また、ガソリンスタンドでの洗車がボディのみになったこともあり、自分で洗車を隅々までやってみました。スポンジを使うとタイヤのすきままで洗うのがすごく大変。

そこで、手のひらにブラシが付いたシリコン製の手袋を買って使ってみたらこれが大活躍! こんな便利なお掃除グッズがあったのだと、新しい発見でした。

おうち時間が増えたことで、知らなかった情報にアンテナをのばす余裕ができたのも楽しいです。

 

力を抜いて、自分の心の声に耳を傾ける

人と会う機会がめっきり減ったここ数年、当初はオンライン飲み会に参加したこともありました。

でも、直接会って話すのとは全然違って。同じ空間にいないから、会話の繊細なリズムがわかりにくいし、みんなのお話をちゃんと聞けているのか不安になってしまって。結局数回しか参加しなかったかな。

 

今までの私は「お付き合いも仕事のうち」と考えていたので、仕事が詰まっているのにお誘いは断らず、寝る時間を削って疲れをどんどんためていたこともありました。当時は「無理をしている」なんて認識はなかったのですが、今は「もっとゆっくりしたい」というように変わり、その気持ちを優先させています。

もともと私は自分に噓をついたり、無理なことはしたりしないタイプですが、50代になって自分の心の声にもっと耳を傾けよう、という思いが強くなりました。

すると、自然に心が解放され、気が抜けてくると「これはしなくてもいいな」と、本当に必要なことだけを選んでするようになりましたね。

 

例えば、そんな頻繁に美容院に行かなくていいとか、こまめにネイルに通わなくていいとか。

見た目を整えることは確かに大切ですが、無理をしてやっていたら疲れてしまいますから。相手のことを考える時間と同じくらい、自分のことを考える時間も大切。

これまで、世の中全体に「消費しなきゃ」「何かしなきゃ」という、焦燥感のような空気があったと思うのです。

それが今やっと、誰もが一度立ち止まって自分を見つめ直すチャンスを得られたような気がします。そう考えれば、新しい生活様式もポジティブにとらえられるんじゃないかな。

ワンピース¥45,100(ottod’Ame / STOCKMAN 03-3796-6851)
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2022年は何事も柔軟に対応していきたい

2021年は行動が制限された一年でした。この生活は当面変わることはないでしょうから、制限下で不満を募らせるより、このなかで何ができるのかを考えるほうが得策。生活や活動の場所も東京にこだわらなくてもいいな、と思うようにもなってきました。

 

私は抽象と具象の間を描いたような、少し古い油絵が好きです。作者は有名でなくてもいい。絵画を観ながら、描き手の人生や、その絵画が描かれた背景に思いをはせる時間を大切にしたいのです。

そしてそれは、東京じゃなくてもできることだなと。DIYだったらなおさら場所を選びませんし。そう考えるほど、自分の可能性をもっと広げてみたくなったのです。

意気込んでやるより、「ちょっとやってみようかな」と軽く始めるのが私のスタイル。成功/失敗なんて考えないで、まずは行動してみることが大切だと思いますね。

とよた真帆さん

とよた・まほ●1967年生まれ。女優、モデル。10代からモデルを始め、パリコレクションに出演した経験を持つ。現在では多数のテレビドラマや映画で活躍。DIYや絵画鑑賞など多趣味なことでも知られる。動物愛護家であり、スモールワールズTOKYOが行う保護犬・保護猫の支援活動の事務局長を務めている。

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