私たちの身近にある企業を紹介|白ゆりグループ
撮影/加藤美奈 イラスト/南 佳奈江
構成・文/峯島由衣
医療介護福祉サービスとは誰のためにあるのだろうか―。
白ゆりグループでは、利用者さまとそのご家族にとってわかりやすく、利便性にもすぐれた施設づくりやサービスを提供。
地域の方々の健康とよりよい生活を一番に考えています。
白ゆりグループ 代表取締役社長
佐藤文彦さん
平成9年に創業。北海道札幌市と函館市で、介護施設や介護サービス事業、医療機関など、13種の事業を展開。
創業時からの思い「明朗かつワンストップ」なサービスを実現
高齢化社会が進む中、「さまざまな医療福祉介護サービスをご用意し、誰にでもわかりやすく、その方に合った過不足のないサービスを提供したい」との思いから始まった白ゆりグループ。
「医療と介護の融合を実現する」ことを掲げ、地域の方々に医療や介護を通じた健康づくりをサポートし続けています。
「現在の日本における介護保険や医療保険のしくみはとても複雑。介護保険制度の認知も低く、サービスを利用したくても入り口がわからない、という人が多いのも現状です。そこで私たちは、医療と介護を融合させた環境づくりやサービスを提供。医療機関や他サービスが利用しやすく、お住まいの地域ですべてが完結できることを目指しました」と社長の佐藤文彦さん。
グループホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅がこれまでの高齢者向けサービスとして主流でしたが、昨今の潮流は在宅で行う介護、看護やリハビリサービスにあります。
「利用者さまご本人はもちろん、そのご家族も快適な生活を送りながら医療福祉介護サービスが受けられるよう、白ゆりグループでは今、訪問看護やリハビリサービスにも力を注いでいます。医療専門職である看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がワンチームとなって、住み慣れた場所で療養していただきながら症状をケアします。利用者さまだけでなく、地域全体の介護や看護の質の向上にもつながると思っています」
家で暮らす方のサービス
ケアプランセンター
保険、医療、福祉の相談や各種申請代行など、自立した生活支援のサポートを行う。
訪問看護リハビリステーション
在宅療養中の高齢者の居宅を、看護師をはじめとする医療専門職が訪問。医療的措置やリハビリを行い、在宅生活を支援する。
デイサービスセンター
介護認定を受けた高齢者が施設に通い、入浴や機能訓練などの介護サービスを受ける。
ショートステイ
数日単位の期間で滞在できる高齢者向け施設。在宅介護のレスパイトにも。
ヘルパーステーション
在宅介護の方の居宅に訪問し、食事、排せつ、入浴、家事などの介護サービスを行う。
施設に入るサービス
グループホーム
認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る福祉施設。介護予防や自立もサポート。
有料老人ホーム
高齢者向け介護付き施設。白ゆりグループにはスタッフ介護型と住宅型がある。
サービス付き高齢者向け住宅
介護と医療とを連携し、高齢者向けサービスを提供するバリアフリー構造の住宅。
白ゆりグループのスタッフによるお悩み相談会を開催。
初回は、訪問看護の現場で働く医療専門職員が、利用者さまご本人やご家族の悩みにアドバイスします。
安全な生活を送るためにトラブルを想定した訓練を
長谷川亮輔さん(以下、敬称略)
自宅とはいえ、転倒はケガにつながることもあるので、ご家族の方にしっかりと立ち上がる方法や介助方法をお伝えします。
倒れた家族を助けようとすると、どうしても介助する側が全力で起き上がらせようとしてしまうと思いますが、介助される側の動く力を利用すれば、思いのほかラクにサポートすることができるんです。
ですから、利用者さまには自力で踏ん張れるような体づくりを、ご家族には起き上がる際の動作や介助方法を、私たちと一緒に練習していただいています。
長谷川昌信さん(以下、敬称略)
スマホをお持ちの方には、動画共有アプリなどで介助方法を視覚的に伝えたりもしています。
「勉強になった」「早速実践してみる」など前向きなご意見をいただくことが多いので、我々のレクチャーと併せてご利用していただくのもいいですね。
前田眞理子さん(以下、敬称略)
転倒したことで意識がもうろうとしていたり、出血を伴うケガをしたときのために、必要であれば訪問して対応したり、救急車を呼ぶなどの対応のアドバイスもします。
ご家族皆さんで安全に過ごすためには、日頃からトラブルを想定した訓練をしておくことが大切ですから。
訪問看護リハビリステーション白ゆり 理学療法士
長谷川亮輔さん
「歩行や立ち上がりなど、基本の体の動きのリハビリに従事する他、健康全般の維持や予防方法のサポートもします」
伝えるという前向きな気持ちがご家族の意識を変えることもある
近江晋太朗さん(以下、敬称略)
今回のエピソードのように、老化や症状によって言いたいことをうまく伝えられないケースもあれば、逆に体が言うことを聞かないために、必要ないことまで言葉にして、周りも自分も不快な気分にしてしまうケースもあるようです。
利用者さまご本人にとっては、頭で考えていることと体がかみ合わず、本当につらい思いをしているのではないでしょうか。内容によっては訪問看護に携わる者としての専門的な見解を打ち出すこともありますが、基本は気持ちに寄り添うことのほうが重要かなと。
ご本人には「在宅生活を維持するためには何が大切であるか。そのために必要な訓練や意識をしていきましょう」と、少しでも前向きな提案をします。そんなご本人の努力を感じると、ご家族も思考や行動が前向きになっていくので、ご自宅の雰囲気が自然とよい方向に。
ご本人とご家族との“バランサー”の役を担えるように心掛けています。
訪問看護リハビリステーション白ゆり 作業療法士
近江晋太朗さん
「理学療法士とは異なり、利用者さまの身体機能を、日常の生活動作や趣味などの活動に生かせるようにサポートします」
長谷川(昌)
訪問看護の利用者さまご本人から、ご家族には“お世話になっている”という思いをお持ちだからか、なかなか本音を言いにくい、ご家族の思い通りに事が運ばないと怒られてしまう、というお声を聞くことも。きっとどちらも知らず知らずのうちにストレスをためていると思います。
ご自宅に伺う際、ご本人とご家族に「一人で悩まないように、不安なことや家での出来事など、どんなことでも話してくださいね」と伝えています。
ご本人と接していく機会が増えると、意思の疎通がとれない原因やご家族との会話の雰囲気も見えてくるので、そのご家庭の生活に適したアドバイスをすることができます。気持ちよく生活するうえでコミュニケーションがいかに大切なことなのか、と改めて感じますね。
近江
たしかに。私は利用者さまと接するときは、柔らかい言葉づかいと笑顔を意識するようにしています。
たとえ的確な指示であっても、淡々としすぎていたり目を見なかったりするだけで、意図していることが上手に伝わらないこともありますから。
一人で頑張らなくていい! 介護サービスを上手に活用して
長谷川(昌)
“老々介護”という言葉があるように、ご自身がいつまで介護に携われるか気にされている方は多いですね。
まずはご家族の思いをしっかりお聴きします。具体的に不安を抱えている部分が見えてきたら、私たちでお役に立てることがあればお手伝いさせていただきます。
長谷川(亮)
ご家族の方々は、介護が始まることがわかると、いろいろとご準備されたりと前向きに頑張っていらっしゃいます。
ところが、介護が何年も続くとご家族の方も年齢を重ねていき、しだいに疲れが見えてくるんですね。ですが、「大丈夫ですか?」とお声がけすると、皆さん気丈に振る舞われます。中には、これまでのようにスムーズに介護ができなくなったことで、罪悪感を抱いている方も。
私たち訪問看護スタッフは定期的に訪問させていただいているので、ご家族の方の異常にも気付きやすい。そんなときは、毎日介護で支えていることを労い、一緒に今後の生活について考えます。
訪問看護リハビリステーション白ゆり 言語聴覚士
長谷川昌信さん
「主に、話す、聞く、食べるが不自由な方に対して、リハビリを通じて機能回復を行っています」
前田
介護していることで、体も心も壊してしまっては元も子もない。私は、利用者さまご本人のことよりも「ご自身のことを一番に考えて」と伝えるようにしています。
だって、たまには介護のことは忘れて息抜きしたいこともあるでしょう。レスパイト(介護者の負担軽減を目指す仕組み)やヘルパーを利用することは決して悪いことではありません。ご家族から悩みを打ち明けてもらっている時点で、我々スタッフとの関係性は築けていると思うので、「一人で頑張らなくていい」ということをアピールしています。
近江
先のことを考えると不安になるのは私たちも同じ。先輩スタッフや他の介護の様子などをお話しし、解決方法は一つではないことを伝えます。折り返した人生をできるだけその方らしい生き方で過ごしていただくために、私たちをどんどん頼っていただきたいです。
訪問看護リハビリステーション白ゆり 看護師
前田眞理子さん
「病気や障害を抱えながらでも、住み慣れた自宅で安心して生活できるのは、白ゆりグループの医療福祉介護サービスが充実しているからだと思います」
白ゆりグループ(株式会社メディカルシャトー)
■本社
住所:北海道札幌市中央区南9条西7-1-28
電話:011-511-1023
■函館本社
住所:北海道函館市美原2-50-2
電話:0138-34-3231
より詳しい情報は白ゆりグループホームページをご覧ください。
https://www.shirayuri.gr.jp/