女性医師が試した いろんな「肩こり」改善グッズ
こんにちは。内科医師の春田です。
実は私には身体に関する悩みがあります。それは「肩こり」。朝から晩まで、下手したら寝るときですら首や肩周りの「コリ」がつきまとい、気分は憂鬱です。原因はわかっています。私の場合は常時携帯している重いカバンと1日の仕事の半分を占めるパソコン作業です。肩こりは命にかかわる病気ではないと思っていましたが、実際自分が肩こりに悩まされると、「この肩こりがなかったら、1日が幸せに過ごせるのに!」とまで思うようになってきました。
実は「肩こり」は女性の体の悩みでナンバーワンの症状なのです。
厚生労働省が定期的に公表している国民生活基礎調査の最新版(2019年)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/04.pdf)では、女性で最も多い症状は肩こりで、1000人あたり113.8人、つまり10人に1人が肩こりで悩んでいる、と報告されています。
なので、きっと私と同じように肩こりで悩んでいる人、もしくはこんなものだとあきらめている人も多いかもしれません。
もともと首や肩は約5㎏の頭部を支えており、特に骨や筋肉が弱ってくる50歳台からは頭部の重みがさらに負担になってきます。
私もマッサージに行く頻度がどんどん増えてきました。
でも、マッサージはされているその時は気持ちいいのですが、根本的な治療にはなりません。ふと、「私って(あの、銭湯に置いてあるような)マッサージチェアが買えるくらいマッサージにお金を払ったんじゃないか」と気づき、それから根本的に改善できないか考えるようになりました。
そこで、今回から数回に分けて肩こり改善のために私が実践したアレコレを紹介したいと思います。今回はグッズ編です。
まず、私が試してみたのは、ゴルフボールや野球のボール。これは特に自分でギュッと押すことができない背中に使っています。使い方は床にボールを置いて、その上に寝転がりピンポイントで凝っている部分に当てます。
ベッドや布団の上だと押される力が弱くなるので、直接硬い床に寝転がった方が効果的です。職場ではできないのが難点ですが、ボールは安く手に入りますし、特に肩甲骨の内側はかなりグッと押せます。
ただしボールを使った方法はどうしても1か所しか押すことができません。なので、複数の場所を押すには時間がかかります。そんな時に見つけたのが、マッサージピロー。私のものは4,000円くらいで、4つのもみ玉がついています。さらに温熱機能もついているので、凝った部分を温めながらほぐすことができます。
私はこれもボールと同じように床に置いて、その上に肩甲骨や首などをのせてマッサージをしていますが、しっかりした背もたれの椅子であれば座った状態で腰や肩の位置に置き、もたれて使うこともできそうです。値段の割にはしっかりとした作りで、1年以上愛用しています。
◆ネックストレッチャー(左)とマッサージピロー(右)◆
次に試してみたのはネックストレッチャー。
首の周りに巻いて空気を入れると首がグーっと伸ばせます。これは、パソコンの仕事が続いて、「あー、もう首が支えられない!」というほど首と肩がまいっていたときに探し出したグッズです。
本当にこの時は、首のギプスをしたい!と思うほど困っていたので、「これってギプスの代わりになるかも」と思って通信販売で購入しました。
実際に使ってみると、首の巻き具合は調節ができるので、たくさん空気を入れても首がしまる感じはありません。膨らましている間はアゴや頭が支えられる感じがして、膨らませたまま実際にパソコンの仕事をしたりしています。逆にアゴが引けないのでちょっとパソコンのキーボードが見えづらいのですが、10分ほど作業して外すと首回りのドーンと重い感じがゼロになります。この外すときがとっても爽快です。
効果に継続性はないのですが、私の場合はパソコン作業の多いことが肩こりの原因になっていると思うので、時々ネックストレッチャーで首の位置を矯正するような感覚で使っています。
慢性の肩こりは常に筋肉がギュッと縮んで、血流が悪くなっているのも原因の1つなので、肩周りを温めるのは効果的です。
特に首をすくめがちな冬に愛用しているのは、電子レンジで温めて肩や首周りにあてるタイプの温熱グッズ。私が使用しているのはあずきを使ったタイプで、1,500円程度で手に入ります。ちょうどよいじんわりとした温かさが気持ちよく、そのまま寝てしまうこともあります。
繰り返し使えるので経済的ですが、1回温めると、すぐに温めることはできない(火が出ることがある)ので、再度温めるには4時間以上間をあける必要があります。また、最大でも使用は1日4回までと注意書きがあるので気をつけましょう。累計200回使ったら廃棄しなければなりませんが、毎日4回使っても50日使えますし、コストパフォーマンスとしても1回10円にもならないので、冷え性の人にもおススメです。
温める、と言えば、一番手軽なのはお風呂につかることでしょう。お風呂は大好きなので、できるだけ意識して首も肩もしっかり湯船に入れて温まるようにしていたのですが、どうしても首がすごく曲がって苦しい姿勢になるので、長い時間、首まで湯船に入れることが苦痛でした。そんな時に見つけたのがお風呂用の枕。いくつか試しましたが、今使っているタイプは撥水がよく、触っても冷たくなく柔らかいので、とても使い心地がいいです。これにもたれて、うなじギリギリまで湯船に沈むと首回りや肩がしっかり温まります。
◆枕:一番下の白い枕が今使っているもの。左の小さな白い枕はお風呂用◆
そして、1日の1/3を占める睡眠中の姿勢も大事と思い、枕もあれこれ試しました。オーダーメイドの枕も試しましたし、高反発がいいのか低反発がいいのかもわからないのでどちらも試してみました。
そして今、私の最終形は肩や背中まで支えてくれる低反発の枕です。値段はシングルでも2万円弱なので、決して安くはないのですが、寝たその日からすごく寝心地がよくて、「やっと出会えた!」と思った枕です。特徴は背中まで支えてくれる形。最初は背中まであったら、背中に違和感が出るのではないかと思ったのですが、低反発なので枕の切れ目は全く気になりません。そして布団目いっぱいの幅があるので、寝返りをうったり横向きになっても適度な支え心地で違和感がありません。肩こりの改善までの効果はありませんが、寝るときに「なんか首の位置が決まらない」といった悩みは無くなりました。
今回は私が試した肩こりグッズを紹介しました。個人的な感想ですが、皆さんの肩こり改善の参考になれば幸いです。次回は肩こりのツボや鍼灸、そして肩こりの原因の1つ歯ぎしりについても説明します。