加齢によって低下する骨密度を上げて骨折を予防しよう
骨密度はホルモンの分泌量低下によって引き起こされますが、食生活や薬が影響する場合もあります。早期に骨密度を上げる生活習慣を心がけ、骨折を予防しましょう。
20代をピークに少しずつ減少していく骨密度は、早期に値をチェックして強い骨づくりを目指していかなければなりません。
ここでは、骨粗鬆症や骨折のリスクを高めることもある骨密度について、加齢によって減少する原因や密度を高めるための方法を紹介します。
骨密度は加齢によって少しずつ減少していきます。その原因について詳しくみていきましょう。
骨は皮膚や毛髪と同じく新陳代謝によって入れ替わっています。古くなった骨が血液中に溶け出し、溶けた部分にカルシウムがついて骨となります。
しかし加齢や閉経によってホルモンの分泌量が減少すると、血液中に古くなった骨が溶け出す作用が盛んになってしまい、骨密度が急速に減っていきます。
骨密度の低下は、食生活の影響も大きく関わっています。
カルシウムなどの骨を形成するミネラルの不足はもちろん、ビタミンDやコラーゲンの不足によっても骨密度が低下しやすくなります。
急激なダイエットや食生活の偏りは栄養不足に繋がるおそれがあるため、バランス良く食べることを意識してください。
骨密度は抗うつ剤の服用や胃腸・内分泌疾患などの既往症によっても減少することがあります。
なかには抗うつ剤の服用と食生活、ホルモン分泌量の減少と栄養不足など、複数の原因が重なって骨密度が低下するケースも。
強い骨づくりのためには、既往症の治療を優先的に行いながら、栄養の摂取や運動不足の解消など日常生活からできることに取り組んでいく必要があるでしょう。
骨密度を上げる三つの方法を順番にみていきましょう。
ウォーキングや階段の昇降は気軽にできる運動であり、骨量を増やす効果が期待できるといわれています。まず日常生活の中で骨密度の低下を防ぐように、運動習慣をつけましょう。
ただし骨密度が下がっている方は、骨の吸収を抑える薬の服用や副甲状腺ホルモン薬(骨の形成をサポートする薬)を一緒に服用しながら、運動を適度に取り入れていく必要があります。
塩分の多い食事や栄養価の少ないお菓子などを食べると、カルシウムの吸収に悪影響を及ぼします。
食事内容はカルシウムが多く含まれる食品を積極的にとり、カルシウムの吸収・骨への沈着を助けるビタミンD ・Kを多く含む食品を併せてとると良いでしょう。
運動で体を鍛えている方はタンパク質もしっかりと補給するようにしましょう。
日光浴によって紫外線を浴びると、人間の体の中に取り込まれているビタミンDが活性型のビタミンD3に変化します。
ビタミンD3は免疫系統に深く関わっているほか、体内でカルシウムの吸収を助ける働きもあり、新しい骨をつくるうえで重要な役割を果たします。
一日10分から20分程度の日光浴を習慣にしながら、不足しやすいビタミンを食べものなどでしっかりと補っていきましょう。
誰しも加齢や骨密度の低下は避けられないものですが、急激に低下しないように日常生活から予防することができます。
適度な運動で骨を鍛え、骨の形成に重要なカルシウムを補っていくことが第一ですが、体質の問題や既往症の有無がある方は治療を最優先に行いましょう。
衝撃に強い骨づくりは、無理のないように生活を見直しながら、段階的に取り組んでいくことが大切です。